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中ア千駒ケ岳保存管理計画決定 09年のハイマツ無許可伐採受け

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 県天然記念物の中央アルプス千畳敷で2009年、ハイマツなどが県教委の許可を得ずに伐採された問題を受け、山岳関係者、地元の駒ケ根市や上伊那郡宮田村、県教委などでつくる委員会は「中央アルプス駒ケ岳保存管理計画」をまとめ、4日公表した。整備・利用できる区域と、原則立ち入らない区域を明確化。関係者間で広く共有することで、千畳敷の保全と活用の両立につなげる。  計画では、千畳敷を「カール」「極楽平」「登山道」「遊歩道」「施設」の5地区に区分=図。カール、極楽平地区は原則、人が立ち入らない区域とした。登山道地区では、十分な登山装備や知識のある人でも安全に通行できないような障害物だけを除去する。遊歩道地区は観光客が通ってもけがなどがないようにする。ホテルやロープウエー駅がある施設地区は、周囲の眺望を妨げないよう配慮する。  登山道での危険な石の移動などは、自然をなるべく損なわないことを前提に無許可でできる例外を設けた。一方、生きている樹木を切るなどの行為は通行に危険がある場合でも許可制とした。枯死した枝で通行者が目を突いたりけがを負ったりする危険性が高い場合は、駒ケ根市教委や宮田村教委と協議、立ち会いのもとで、枯死部分だけを無許可で取り除けるとした。  委員会は、地形や地質、動植物などの専門家、観光事業者、国・県の機関も加わり、10年度から現地視察も経て計画をまとめた。冊子にして関係者に配り、周知を図る。今後は別に委員会を設けて、登山道の案内看板などの材質や形状といったルールを話し合う。  県教委文化財・生涯学習課文化財係指導主事として委員会にオブザーバー参加した遠藤公洋さん(49)は「千畳敷に関わる人たちが立場を超えて一堂に集い、ガイドラインを作り上げた意味は大きい」と話している。  千畳敷では09年、駒ケ根市などが登山道整備を依頼した個人がハイマツなどを伐採。県文化財保護条例などに基づく現状変更許可をどこも得ていなかった。(長野県、信濃毎日新聞社)


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