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牧草栽培しながら太陽光発電 南箕輪の農地で「ソーラーシェア」

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 上伊那郡南箕輪村大芝で、神奈川県の太陽光発電事業者が農作物を栽培しながら太陽光発電をする「ソーラーシェアリング」による売電事業を計画していることが、4日までに分かった。約2万平方メートルの農地で最大出力2・4メガワットを計画。年内稼働を目指しており、実現すれば、この手法でのメガソーラーとしては県内最大級になるとみられる。  計画地は、村の観光拠点の大芝高原近く。地元には「村のPRになる」といった期待の一方、営農や景観への影響を懸念する声もある。村農業委員会は7日の総会で、農地の一時転用を許可するかどうか審議する。  事業者の「サンライズ」(神奈川県秦野市)などによると、計画地は大芝高原の広域農道を挟んで南東側。農地法に基づき転用が原則的に規制される優良農地で、牧草を栽培している。日照条件などから候補に上がったという。地面に日が当たるように通常より高い約3メートルの支柱を立てて、太陽光パネル約8千枚を設置。引き続き牧草を栽培する。電力は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用し、中部電力(名古屋市)に売電する計画だ。  農林水産省は昨年3月、優良農地でも営農の継続などの条件付きで太陽光発電を認めるとの通知を出した。太陽光パネルの設置には、支柱を立てる部分について農地を一時転用するための許可が必要。同省や県によると、全国で昨年度、ソーラーシェアリングのために一時転用の許可を受けたのは48件。県内は1件で、支柱を立てる部分の面積は計0・5平方メートル。今回の計画では計65平方メートルになる。  地権者の1人は「パネルの下でヤギを飼い、子どもたちが自然エネルギーについて学ぶ場にもなるかもしれない」と期待。同社は「新たな観光資源として打ち出すなど、村の活力になるよう一緒に考えたい」とする。  一方、唐木一直村長は「遊休農地もある中、村内農地の一等地に設置する必要があるのか」と、優良農地での発電を認める国の通知を疑問視。近くの住民の1人も「営農だけでなく景観面でも村全体で話し合うべきだ」と話す。  自然エネルギー普及の課題に詳しい岡田久典・早稲田大環境総合研究センター上級研究員(53)は「再生可能エネルギーは地域の資源。地元の合意形成という最も重要なことが抜け落ちないよう仕組みを整える必要がある」と指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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