上田署と県警生活環境課サイバー犯罪対策室は14日、テレビのデジタル放送の受信に必要な「B―CAS(ビーキャス)カード」の情報を不正に改ざんしたとして、私電磁的記録不正作出の疑いで、上田市中央3の自営業松田実容疑者(66)と、長男で千葉県船橋市の自営業松田豊容疑者(36)を逮捕した。同署などによると、実容疑者は「カードは息子からもらった」と容疑を否認し、豊容疑者は容疑を認めている。 同カードはデジタル放送を視聴するのに必要なIC(集積回路)カード。テレビなどを購入すると1台に1枚付いており、差し込んで使う。BSやCSなどの有料放送の視聴契約をすると、カードに視聴期間などの情報が書き込まれ、視聴可能になる。 2人の逮捕容疑はことし6~7月ごろ、共謀してICカードのデータを読み取る機械を使い、有料放送契約をしていないのに、無料で全てのチャンネルを見られるようにカード6枚を不正に作成した疑い。 同署などによると、7月下旬ごろ、同容疑者の店舗で「アニメなどの複製DVDを頒布している」との情報があり、著作権法違反(頒布)の疑いで同店などを家宅捜索したところ、改ざんされたB―CASカードが見つかった。その後、カードの鑑定で改ざんが確認され、当時押収していたパソコンなどを分析した結果、両容疑者が共謀して改ざんしたと分かったという。 同署などは、改ざん用のカードの入手先を調べるとともに、販売目的で改ざんした可能性もあるとみて、不正競争防止法違反の疑いでも調べている。 同署などによると、不正なB―CASカードをめぐる摘発は県内初で、全国では3件目の逮捕。14日午前の上田市内での家宅捜索は、実容疑者が経営する中央2(海野町)と中央3(原町)の両時計・眼鏡店で行われた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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