衆院選長野3区への転身出馬の意向を示していた羽田雄一郎国土交通相(45)=参院県区=が、民主党の「脱世襲政治」徹底を受け、次期衆院選への立候補を断念する方針を固めたことが19日、複数の関係者への取材で分かった。県連や支持者らと最終調整を図った上で、20日にも記者会見で正式発表する見込みだ。 党公認が得られない場合、無所属でも出馬する意向を周辺に示していた羽田国交相の出馬断念で、3区の選挙構図は大きく変わることになる。県連は地元の意向も踏まえ、早急に別の候補選定と公認手続きに入るとみられる。 16日の衆院解散で引退した父の羽田孜元首相(77)の後援会「千曲会」は19日、東御市内で後継を選ぶ検討委員会を開き、長男の雄一郎氏を「3区の後継として最適任」と全会一致で決定。同氏は同日夜、信濃毎日新聞の取材に「後援会の決定に感謝しているが、党や一線で戦っている同志(同党の衆院選立候補予定者)に迷惑はかけられないので慎重に検討している」とした。 関係者によると、雄一郎氏は衆院解散した16日時点では、党の「世襲制限」に基づき党公認が得られない場合でも、無所属での出馬を視野に3区に転身する意向を維持していた。後援会幹部も同氏の意向を支持していた。 だが、18日に野田佳彦首相が「脱世襲は貫徹をする」と断言するなど、党幹部から「脱世襲」を自民党との対抗軸として明確化する発言が続出。後援会側にも「羽田元首相が立党に関わった民主党と、雄一郎氏や後援会が対立するわけにはいかない」(幹部)との受け止めが広がった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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