善光寺街道(塩尻市洗馬―長野市の善光寺)を活用して地域おこしを目指す団体・個人でつくる善光寺街道協議会(事務局・東筑摩郡麻績村)は、街道沿いの千曲市姨捨地域を描いた「姨捨四方山(よもやま)絵図」を作った。古くから月の名所とされ、旅人に親しまれた周辺の伝説などを紹介する絵解き語りに使う。長野市篠ノ井布施高田のグリーン長野農協グリーンパレスで24日開く「第4回善光寺街道道の文化祭」で初披露する。 絵図は、麻績村の麻績宿、千曲市の長楽寺、冠着(かむりき)山(1252メートル)などを、会長の小瀬(こせ)佳彦さん(48)=麻績村=が模造紙2枚に描いた。 絵解きでは、冠着山が姨捨山として見直されるようになった明治期の「冠着山復権運動」や、今も周辺3カ所にある山を拝む「遥拝(ようはい)所」の碑を説明する。年老いた女性を山に捨てる姨捨伝説なども、松尾芭蕉や小林一茶の句、古今和歌集の和歌とともに紹介する。当日は小川原陽子さん(69)=同=が同村に伝わる物語に登場する峠の茶屋の娘になりきって口演する。 同協議会によると、かつて善光寺聖(ひじり)と呼ばれた僧侶たちが、善光寺縁起の絵解きをしながら全国行脚したことに倣い、街道PRのため絵解きを復活させる狙いという。 文化祭は同協議会の主催で「善光寺街道の近代遺産」がテーマ。「鉄道開通に見る明治旅」と題して、聖博物館(麻績村)名誉館長の宮下健司さんが講演する。参加者には協議会がまとめた冊子「善光寺街道の近代を歩く」を配る。 小瀬さんは「現代の絵解きを改善しながら確立したい」と張り切っている。文化祭は午前9時~午後4時、資料代500円。問い合わせは小瀬さん(電話090・2160・6840)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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