JR東海は22日午前、「本番仕様」のリニア新型車両「L0(エルゼロ)系」の車体を山梨県都留市の山梨実験線車両基地に搬入した。報道陣に初めてL0系の先頭車両を公開。基地で今後、車体と超電導磁石の装置をドッキングし、1年間かけて機能を調整する。来年末から、延長42・8キロに延伸した実験線で本格的に走行試験をする予定だ。 2年近くかけて製造された新型車両はこの日、メーカーの工場から5両をトレーラーで運び込んだ。覆われたブルーシートを外し、真っ白な車体に青のラインの車体を披露。空気抵抗を抑えるため、先端に向けて長さ15メートルにわたってなだらかに低くなる「超流線形」の先頭部もリニアならではの形だ。 従来の試験車両と比べて断面を角形にし、車内空間を拡大して居住性も向上。リニア中央新幹線東京―名古屋の2027年開業に向け、実験線では延伸後、新車両を増やして最終的に12両編成で走行する。騒音、磁界などが適正値に収まっているか検証し、コストも含めて改善を図る。 山梨実験線は、延長18・4キロの従来区間も最新型の地上コイルなどに更新するため、昨年9月から走行試験を中断している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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