北アルプスを訪れる外国人登山者が、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ昨年に比べ、今夏は復調している。槍ケ岳直下にある槍ケ岳山荘では、外国人の約8割を占める韓国人が、今夏これまでに300人以上宿泊。団体ツアーで一晩に70人ほどが宿泊した日もあるという。 同山荘によると、昨年は外国人宿泊者の正確な統計を取っていないが、経営する穂苅康治さん(63)によると「実感として、ことしは昨年の倍以上」という。放射能に対する風評被害が払拭(ふっしょく)され、状況が正確に伝わるようになったとみている。同山荘では韓国人留学生をアルバイトに雇い、山荘内の案内板やトイレ使用法の表記にハングルを添えるなどして対応している。 穂高連峰にある穂高岳山荘でも「落ち込んだ昨年と比べ、ことしは平年並みに戻った」といい、韓国人のツアー登山者計約100人が宿泊した日もあるという。 韓国天安市から仲間と槍ケ岳を訪れた公務員李成淵さん(53)は「幾つもの山が連なる北アルプスは魅力的。登り始めは緑に囲まれていたが頂上に近づくと雪も残っていて、景色の変化が楽しめた」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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