安曇野市豊科南穂高のジャズピアニスト伊佐津(いさつ)さゆりさんは12月8日、地元・安曇野の情景を表現した自作曲が中心のCD「Field(フィールド)」を発売する。信州の風景などをイメージさせる「信州ジャズ」という独自のジャンルを築くきっかけにしたい―と制作した意欲作。同1日にはCDの曲を披露するコンサートを松本市のまつもと市民芸術館で開く。 収録した自作曲は、安曇野の広い大地を思いつづった「Field」、連なる山の向こう側に憧れた少女時代を回想した「Over The Mountain(オーバー・ザ・マウンテン)」など8曲。他に「早春賦」など信州にゆかりのある曲をジャズ風にアレンジした3曲も入れた。 6月に伊佐津さんのコンサートを手伝ったドラマー平井景さん(埼玉県)、音楽ライター島田奈央子さん(東京都)が、CD化を提案した。 島田さんは「伊佐津さんの曲を聞くと、信州の風景が浮かぶ。切ないメロディーが涙を誘う」。伊佐津さんと学生時代からの友人という平井さんは「伊佐津さんの曲は地元を愛する気持ちにあふれている」。制作の過程で、地方から発信するこれこそ信州ジャズ―と、夢が膨らんだ。 伊佐津さんは「信州の人が曲を聞き地元の風景は素晴らしいとあらためて感じてくれたらうれしい」と話した。 伊佐津さんは松本深志高校から武蔵野音大に進学。卒業後、ジャズピアニストとして都内で活動した。結婚した後、1995年に実家のある安曇野市に戻り、活動拠点を信州に移した。昨年5月には県内で活動する演奏家を中心に「信州にジャズを広める会」を発足させてジャズの魅力を伝えるコンサートに力を入れている。 CD発売は7年ぶり2度目。平井さんの自主レーベル「ブライトサンズレコード」から発売することが決まり、平井さんらプロ演奏家と一緒に伊佐津さんの自宅などで録音。12月1日のコンサートは島田さんが企画した。 CDは2300円。コンサートは午後7時開演で3500円(前売り3千円)。問い合わせは信州にジャズを広める会(電話090・8871・5419)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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