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ノモンハン事件を大作の油絵に 元衛生兵、平和の大切さ訴える

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 元日本軍衛生兵で、戦争を題材にした油絵制作を続けている上田市下丸子の宮山末三(すえぞう)さん(91)が25日、ノモンハン事件を描いた作品「慟哭(どうこく)の戦場」を下丸子公民館に展示し、絵に込めた思いを語った。ベニヤ板4枚に描いてつなぎ、縦2メートル、横3・5メートルほどにした大作。事件で戦った後、フィリピンで戦死した同市出身の日本兵の遺品も持参し、平和の大切さを訴えた。  同事件は1939(昭和14)年、旧満州(現中国東北部)とモンゴルの国境付近で、日本軍とソ連・モンゴル軍が起こした武力衝突。宮山さんは衛生兵として中国各地を回り、同事件には直接関わらなかったが、事件で戦った上田市出身の日本兵から聞いた話を基に、数年前に絵を仕上げたという。  発砲するソ連軍の戦車、攻撃を受けて黒煙が上がる中、国旗を手に助けを求める日本兵などを描いた。宮山さんは、ステージに置かれた作品の前で内容を説明。同市出身の日本兵が残した国旗や写真を手に「隊員のほとんどが戦死した。(彼は)たまたま部隊後方に配置されていたから生き延びたようだ」と話した。  この日は、地元住民が歌や踊りなどを披露する同館の催し「ふれあい広場下丸子」の一環で企画。住民ら50人ほどが来場した。帰国後は地元で農業に従事したという宮山さんは「戦争は本当に悲惨。(戦争による数多くの)死を無駄にせず、鑑賞した人に平和への努力をお願いしたい」などと書いた文書も配った。  地元の男性(65)は「戦争を避けるために、立ち止まって考える必要を感じた」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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