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戦時中、学童疎開した男性3人が坂城小再訪 児童と交流

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 埴科郡坂城町坂城小学校で26日、戦時中に東京から学童疎開で親元を離れ同校に通った男性3人と全校児童約270人との交流会が開かれた。同町教育委員会が企画した交流事業。男性3人は現在も東京在住で、町在住の同級生らと共に同校を訪問し、戦時中の暮らしぶりなどを児童たちに伝えた。  同町教委によると、同校には1944(昭和19)年から終戦の45年まで、東京都豊島区時習国民学校の児童約100人が通った。町内の南条小、村上小も学童疎開を受け入れており、交流事業に合わせ今月、各校に「学童疎開の碑」を設置した。  この日は、校庭で碑の除幕式を行った後、体育館で交流会を開いた。児童会長の6年、小宮山達也君(11)は「平和な世の中について考える機会にしたい」とあいさつ。校歌斉唱では男性たちも口ずさんだ。男性たちは同校にバイオリンと風景画を寄贈した。  小学5年生のときに学童疎開した増毛順治(ますものぶはる)さん(79)=東京都府中市=は「一番困ったことは食べ物がなかったこと。いつもおなかをすかせていた」と説明。同町の婦人会がぼた餅を振る舞ってくれたといい、「坂城町の人が親切だったことは今も覚えている」と語った。  疎開中の心の支えを尋ねる児童からの質問に、「戦争がいつ終わるか分からなかったので、毎日悲しい思いばかりだった」と心境を伝えた。  交流会を終え、増毛さんは「坂城町は何回来ても当時の気持ちに戻る。今日はいい機会になった」。小宮山君は「お父さんやお母さんと離れての生活が大変だったことが分かった」と話していた。  同町は、学童疎開していた人たちなどから寄稿を募り、冊子の作成を計画している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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