小県郡長和町和田の和田小学校の児童たちが16日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士の星出(ほしで)彰彦さん(43)と無線で交信する。昨年度から総合学習の一環で宇宙について学んできた5年生の全11人を中心に児童約20人が参加。「宇宙から地球はどう見えますか」「食事は大変ですか」などと質問をぶつける予定で、本番を心待ちにしている。 交信は、米航空宇宙局(NASA)が世界の子どもたちに宇宙や科学への興味を持ってもらおうと実施している教育プログラムの一環。総務省の許可を得て臨時のアマチュア無線局を開設し、5年生の担任で1級アマチュア無線技士を持つ小柳(おやなぎ)昭喜教諭(44)の指導で会話する。 小柳教諭は小諸東中(小諸市)に勤めていた2年前、同プログラムでISSと交信した経験がある。昨年4月に和田小に赴任後、同小でも「遠く離れた宇宙から声が聞こえる感動を味わってほしい」と考え、日本アマチュア無線連盟(東京)を通じてNASA側に申請した。交信が決まって以降、現5年生たちは宇宙に関するテレビ番組を見たり、佐久市の宇宙機構臼田宇宙空間観測所を見学したりして学んできた。 7月下旬には、児童たちが無線交信に使うアンテナの部品を倉庫から搬出。小柳教諭とアマチュア無線仲間10人ほどが高さ4メートルほどのアンテナを組み立て、クレーンで校舎の屋根の上に設置した。 5年生の小路日和(しょうじひより)君(10)は「このアンテナで和田小と宇宙がつながるなんてすごい」。氏原拓巳君(10)は「新聞やテレビのニュースで、星出さんがどんなことをしているか毎日チェックします」と話す。小柳教諭は「あとは当日を待つのみ。交信が成功して、子どもたちが貴重な経験をしてくれればうれしい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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