アルペンルート入り込み８８万人　今季の営業終了

　大町市と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートが３０日、ことしの営業を終えた。同市扇沢―黒部ダム間でトロリーバスを運行する関西電力黒四管理事務所によると、利用者は８８万８１４８人。東日本大震災の影響で激減した昨年と比べると２万３千人余増えたものの、目標としていた１００万人には届かなかった。 　開業当初の４月は平年並みだったが、以降は「大型連休の天候不順や、東北支援旅行、東京スカイツリー開業などの影響」（同事務所）もあって、前年割れの月が続いたという。台湾、香港、韓国を中心に伸びてきた外国人観光客は３万６千人余増の９万人余となったが、２０１０年以前の１０万人水準には及ばなかった。領土問題の影響とみられるという。 　一方、０４年以降定着している扇沢―黒部ダム間の４月１０日開通について、関電は市と市観光協会に、来年は１週間遅れの同１７日開業を打診、来週にも正式決定する。原発停止に伴う火力発電燃料費の上昇などで電気料金値上げを申請中のため、「全社的な効率経営の一環」と同事務所。「状況は厳しいが、来年は黒部ダム完成５０周年の節目。市側とも連携し、各種イベントやＰＲを強化して巻き返したい」としている。（長野県、信濃毎日新聞社）