稲わらで作った守り神「湯屋守様(ゆやもりさま)」を温泉街に据える催し「昼神の御湯(おんゆ)」が2日、下伊那郡阿智村の昼神温泉郷で始まった。来年3月2日までの期間中に入浴した人には無病息災などの御利益があるとする冬季の集客事業。この日は、湯屋守様14体に神様を宿らせる「神おろし」が、温泉郷内を流れる阿知川に架かる恩出(おんだし)橋の上で行われた。 湯屋守様は竹の骨組みにわらをかぶせてある。高さは1~2・5メートル。わら縄で口や目をかたどり、それぞれに喜怒哀楽の表情を表現してある。 神おろしには、旅館関係者らでつくる実行委員会の約30人が参加。神職が素手やササで釜の煮え湯を湯屋守様に浴びせる「分湯(ぶんとう)」を見守った。 14体のうち13体は参加旅館の玄関脇、最も大きいものは同橋に飾った。各旅館は期間中、願い事を書き込んで湯屋守様にくくりつけるお札などを入浴客らに配る。 実行委員長の今井竜也(たつなり)さん(59)は「湯屋守様を見るのを楽しみに訪れるお客さんもいる。地元特産の水引でお土産用に小さな湯屋守様を作ることも考えている」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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