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須高農協が「マロンなアップル」販売 有袋栽培で黄色い「ふじ」

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 須高農協(須坂市)は、主力のリンゴ品種「ふじ」を収穫まで袋を掛けたままで栽培し、「マロンなアップル」と名付けて本格販売を始めた。日光を浴びないため通常のふじのように赤く着色せず、地域特産の栗の実に似た黄色に仕上がるのが特徴だ。希少性や話題性を持たせて新たなブランドとして育て、都内の果物店など向けに売り込む。  ふじは県内のリンゴ生産量の約6割を占め、同農協管内は主産地の一つ。栽培には袋を掛ける有袋栽培と無袋栽培があり、現在は甘さや香りを良くするために無袋栽培した「サンふじ」が主流だ。全農県本部の登録商標で、全国的なブランド化を図った結果、県産ふじの9割超をサンふじが占める。  同農協によると、有袋ふじは収穫の約1カ月前に袋を外すことで刺激を与えて着色が早まる効果があり、出荷時期の前倒しが可能。一方、無袋ふじは着色や貯蔵性は有袋ふじに劣るが、栽培期間が比較的長く、蜜が多く入って食味は良くなるという。  「マロン―」はサンふじと異なる路線の新ブランドとして同農協青年部有志が昨年から試験栽培に着手。寒暖の差が大きくなる11月下旬まで、サンふじ並みに蜜が多く入るまで育てる。収穫まで袋を掛けることで皮が軟らかくなり、皮ごとでも食べやすい。  本格販売に当たり、果実袋の生産販売を手掛ける佐藤製袋(中野市)が遮光性を高めた専用の袋を開発。ことしは袋の改良や袋を掛ける時期の調整など栽培技術を高め、9軒の農家が黄色いふじ計3300個を収穫した。  このうち糖度と蜜の量を測り、見た目が良いものだけを「マロン―」として選び、青果卸を通じて全量を青果物販売などのサン・フルーツ(東京)に出荷。同社は都内の百貨店などで販売しており、「赤いサンふじとセットで『紅白』のお歳暮商品にしたい」とする。同農協によると、最高品質のもので店頭で1個千円以上の値が付くという。  同農協は昨年から、袋を掛けて栽培した黄色い桃を「マロンなピーチ」として都市部で販売。滝沢聖(きよし)販売企画課長は「他の産地にはないものに取り組み、安定的な価格で販売して農家の収益向上につなげたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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