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一足早い1票 衆院選「期日前投票」、事情はさまざま

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 衆院選の期日前投票が5日、県内全77市町村で始まり、多くの有権者が投票に訪れた。新党が増え、政党間で微妙に異なる争点も多い今回。論戦はスタートしたばかりだが、いち早く投票を済ませた理由を長野市と松本市の期日前投票所で聞くと、有権者のさまざまな「事情」が浮かび上がった。  「投票日(16日)は日曜日で仕事が忙しい」。長野市役所で投票した同市富竹のホテル従業員須加尾(すがお)忍さん(30)のように、仕事の都合を挙げる人は多い。須加尾さんのホテルは今月中旬から宿泊客が増えて手が離せなくなるが、「自分の意思を示す1票は大切」と話した。  また、松本市役所で投票した信大の男子学生(20)は「あすから米国留学。初めての選挙権を絶対に行使したかった」。長野市の会社員男性は、11日に手術を受けるからと説明した。  両市でこの日投票を終えたのは計900人余り。公職選挙法の規定で、期日前投票ができるのは「仕事等」「レジャー・用事等」「病気等」「住所移転」の四つの場合だけ。投票所ではこれらに該当する理由があるとする宣誓書の提出も必要だが、個々の都合で柔軟に制度を活用する人は少なくない。  長野市の無職女性(82)は投票日の天候が心配だといい、「つえが必要で、付き添いを頼まなければ行けない。今日は天気が良かったから」。松本市の松本駅にある投票所でパートの男性(67)は「支持政党は決まっている。インフルエンザなどにかかる前になるべく早くと思って来た」と話していた。  「(特定政党の)党員だから」「投票先は変わらない」という人もおり、松本市役所で70代の主婦は「解散以降、新聞で各党の主張は比べた。分かりきった演説合戦を聞く必要はない」と言い切った。  これに対し、長野市安茂里の無職男性(60)は「投票日が迫ると、あの人に入れてというお願いが増える。そんな空気に流されたくない」。松本駅の投票所で60代女性は、ある既存政党か、別の新党かで迷い、「何となく、この新党になるのは怖い。既存政党で意思が固まっているうちに」と投票に来たと明かした。  県選管によると、前回2009年衆院選で期日前投票をした人は、県内有権者の22・2%を占めた。高知大人文学部の上神貴佳准教授(政治学)は、事実上選挙戦は公示前に始まっているため、「事前に情報を得て期日前投票するのは合理的な行動」としつつ、今回のように公示直前に新党が立ち上がるなどした場合、「不十分な情報で投票する可能性もある」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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