人気歌舞伎俳優の中村勘三郎さんの死去から一夜明けた6日、勘三郎さんが出演した「信州まつもと大歌舞伎」の実行委員会と上演会場のまつもと市民芸術館が、献花台と記帳台を松本市の同館内に設けた。同日午後1時までに200人以上が訪れ、市民と交流が深かった勘三郎さんの人柄をしのび、早過ぎる死を悼んだ。 献花台には、信州まつもと大歌舞伎の2008年公演時の会見で笑顔を見せる勘三郎さんの遺影やポスターが飾られ、市民らは静かに手を合わせた。同館の中沢孝支配人(63)は「大歌舞伎の開催に協力してくれた方々の気持ちを受け取る場にしたい」と語った。 訪れた同市岡田の主婦内藤明子さん(60)は「松本で初めて歌舞伎を見てとりこになった。あんなに楽しい舞台を見せてくれた勘三郎さんに感謝している」。花束を持参した同市里山辺のピアノ教師坂下京子さん(57)は「私は勘三郎さんと同い年。まだまだやりたいことがたくさんあったと思うが、息子さんたちに任せてゆっくりおやすみいただきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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