上田市、県上小地方事務所、上小林業振興会は12日、松枯れの被害木を破砕する機械などを使った研修会を同市下之郷の市有林で開いた。県内で松枯れ被害が最も深刻な上田小県地域で、被害木の処理や活用について関係者の理解を深めてもらおうと企画。同地域の4市町村の職員や信州上小森林組合の組合員ら30人ほどが参加した。 被害木をつかんで破砕機に入れる重機「グラップル」、回転する刃で木材チップにする破砕機、空気の力でチップを飛ばして林道などに敷き詰める機械の計3台を使い、同組合員らが被害木の処理を実演。県職員らは「チップは雨水を吸うので林道がぬかるむのを防ぐ」などと説明した。 上小地事所の山口勝也林務課長は「チップは路面に吹き付けるほか、木質バイオマス(生物資源)発電所の燃料にも使える。民間事業者と相談して、収益が出る活用方法を模索したい」と話していた。本年度、松本市、安曇野市は県が所有する破砕機を借りて被害木を処理しており、今後は東御市でも活用する予定。 同地事所林務課などによると、上小地域では1984(昭和59)年に初めて松枯れを確認。市町村や個人が所有する森林の被害はピークの2005年度に2万6744立方メートル。11年度は県全体の6万459立方メートルのうち、上小が38・8%に当たる2万3450立方メートルを占めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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