諏訪郡下諏訪町出身の劇作家阿木翁助(おうすけ)さん(1912~2002年)の生誕100周年を記念して8月5日に諏訪市駅前市民会館で映画会が開かれることになった。阿木さんが劇作家としてデビューした大衆劇場の記録映画で、今回上映される「ムーランルージュの青春」を監督した田中じゅうこうさん(57)=東京都=が14日、同市内で会見し、阿木さんと劇場の関わりや映画について説明した。 諏訪地方の有志でつくり、映画会を主催する「阿木翁助を偲(しの)ぶ会」によると、阿木さんは1934(昭和9)年に都内の劇場「ムーランルージュ新宿座」(31~51年)でデビューし、座付き作者として活躍。社会を風刺した作風で、後にはラジオドラマやテレビ番組の脚本も手掛けた。 14日はちょうど阿木さんが生まれた日。田中さんは、劇場が当時斬新だった風刺劇やダンスなどで人気を博した歴史に触れ「現代のお笑いやバラエティー番組の礎を築いた」と説明。「時代劇と現代劇の両方を書ける阿木さんは、(同劇場の作家の中で)エース的存在だった」と述べた。 記録映画は昨年、同劇場の誕生80周年記念として製作。三崎千恵子さん(故人)ら同劇場で活躍した俳優や歌手にインタビューし、当時の証言を記録した。 映画会は午後1時半開演。入場料500円。問い合わせはキネマトグラフすわ(電話0266・52・5070)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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