上田市小泉の国道18号上田坂城バイパス沿いにある「上田道と川の駅」で、食堂などを運営する「おとぎの里」が、同駅で利用できる地域通貨「NYAN(にゃん)」の発行を始めた。敷地内で草刈りやごみ拾いをした人に渡している。清掃活動に参加して利用者に同駅への親しみを持ってもらい、物販コーナーや食堂の利用客を増やす狙いだ。 同駅の敷地は河川敷も含めると約8ヘクタールに上り、草刈りやごみ拾いは大変な作業だ。おとぎの里会員の地元住民らは「管理している市と国土交通省に任せきりにせず、使っている自分たちできれいにしよう」と取り組んでいる。その負担は小さくないため、一般の利用者に清掃に参加してもらいやすいよう、7月中旬に地域通貨の発行を始めた。 通貨は1種類で、100円分が使える「100にゃん札」。同駅はマスコットキャラクターとして猫を使っており、その鳴き声を単位にした。草刈りを1時間すると500にゃんをもらえる。花植えは1時間で300にゃん、ごみ拾いは約10リットルの袋一つ分で100にゃん。食堂や農産物などの物販コーナーの他、同駅で毎週末に開いている手芸や工芸の体験会の参加費にも使える。おつりは出ないが、現金と併用できる。 おとぎの里世話人代表の石井孝二さん(51)=上田市小泉=は「イベントを企画した際にごみ拾いなどを呼び掛け、協力してくれた人ににゃんを渡したい」と話す。問い合わせは道と川の駅(電話0268・21・1221)。(長野県、信濃毎日新聞社)
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