北アルプス広域連合の新ごみ焼却施設計画について、大町市、北安曇郡白馬村、小谷村の関係3市村長でつくる建設予定地選定会議は21日、第11回会合を市内で開き、3市村の自治会が推薦した候補地6カ所から同市源汲(げんゆう)を予定地に選んだ。同日、広域連合議会ごみ処理特別委員会、同全員協議会に選定結果を示し、おおむね了承を得た。 白馬村飯森、大町市三日町と住民の反対多数による2度の計画挫折を経て、広域連合は今回、道路や公園整備などの「地域振興策」要望を挙げて自治会ごとに立候補を募る方式を採用。10月までに6自治会が候補地を推薦し、選定会議が学識者らの意見も参考に絞り込みを進めていた。 造成費などの初期投資額の多少、活断層の確認調査を要しないこと―の2点でまず候補地を3カ所に。さらに断層が近くにあるか、地盤が強固か、冷却水が確保できるか、アクセス道路が住民通行に支障ないか―の4点を比べ、大町市郊外で鹿島川沿いの原野1・4ヘクタールの源汲を選んだ。 源汲自治会が求めた地域振興策は、余熱利用の入浴施設整備(概算4400万円)、運動公園の市への管理移管など7項目で、対応可能な予算規模と判断。選ばれなかった他の5自治会の要望についても、地元3市村が「真摯(しんし)に検討する」とした。ごみの運搬費用は3市村の負担均衡のため共同化も検討するという。 来年4月をめどに生活環境影響調査に入るため、自治会側と協議入りする予定。併せて選定経過や理由について、各自治会と3市村住民への説明会も開く。 連合長の牛越徹市長は記者会見で「適切な施設運営や、さらなるごみの減量化に向けた責務をあらためて感じている」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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