南信州広域連合が日本野菜ソムリエ協会(東京)の「野菜ソムリエ自治体パートナー制度」に登録している縁で28日、東京のレストランのシェフや野菜ソムリエら6人が飯田下伊那地方を訪れ、2日間の日程で農産物の産地視察を始めた。同協会は9月29日、飯伊地方の野菜を使った料理イベントを都内で予定しており、広域連合側は、飯伊地方の食材が東京周辺に広がることを期待している。 この日、下伊那郡阿南町和合を訪れた一行は、信州の伝統野菜「鈴ケ沢なす」の畑などで農家の話を聞いた。鈴ケ沢なすの特徴などを尋ねるシェフもいた。その後、飯田市のハナビラタケの栽培施設も訪れた。 都内のレストランのオーナーシェフ堀知佐子さん(47)は、知人の勧めで2年ほど前から飯田市産のトマトを何度か利用。飯伊地方の農家は時間をかけてこだわりの野菜を栽培していると感じていたといい、今回の視察でその思いをさらに強くしたという。 同協会の9月のイベントで堀さんは、飯伊地方産の鈴ケ沢なすやキュウリなどを使ったランチコースを提供しようと考えている。客の反応を見て、定番メニューにすることも検討していく。 一行は29日、飯田市や同郡高森町、阿智村の直売所やナシ畑など7カ所を回る。 同協会は、野菜や果物の知識が豊富な野菜ソムリエを認定。パートナー制度では、同協会が開くイベントで登録自治体の農産物をPRできる。現在、宮崎県や北海道函館市など6県、4市、2団体が登録。長野県では同広域連合のみが登録している。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧