松本市は28日、経済産業省が2010年度から進めている「医療・介護周辺サービス産業創出調査事業」の対象に選ばれたと発表した。同事業は病気や介護の予防、病人の買い物支援や配食サービスといった行政サービスを民間事業者と連携して産業化し、雇用創出につなげるなどの経済活性化を目指す。同省によると、県内が対象に選ばれたのは初めて。 既に市に対する調査が11月から始まっており、同省の委託を受けた調査機関が、市の福祉計画、高齢福祉、保険、医務、健康づくりの5課が担当する認知症予防などの47事業について、内容などを調べている。調査は来年2月まで行い、市に提案される。 例えば、1人暮らしの高齢者や身体障害者に松本広域消防局につながる緊急通報装置を貸し出している事業で、「タクシー会社や警備会社と協力し、より質の高いシステムを開発する」(市商工観光部)といったことが考えられるという。 市側はこれを受け、市や企業、研究機関などでつくる「松本地域健康産業推進協議会」の場で、13年度から具体化に向けた検討に入る。 対象の選定では、市が「健康寿命延伸都市」を掲げ、健康・医療分野の新産業創出を目指していることなどが評価されたという。平尾勇・商工観光部長はこの事業を活用することで「市民生活の質の向上や医療費削減につなげたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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