伊那市長谷溝口区の住民有志でつくる「溝口郷(さと)づくり会」は、地元の熱田神社の大蛇伝承にちなみ、来年のえと「巳(み)」を描いた絵馬を作った。「辰(たつ)」年最後の31日は、竜の彫刻がある国重要文化財の本殿をライトアップ。華麗な木彫から「伊那日光」とも呼ばれる同神社で二年参りを―と呼び掛けている。 同神社は、本殿建設のために切り倒したご神木のケヤキの根元から大蛇の骨が見つかったと伝わる。建設の無事を祈って骨を祭ったとされる「〓(雨カンムリに口を横に三つ並べ、下に龍)(おかみ)神社」が境内にあり、「蛇骨様」と呼ばれている。 絵馬は横15センチ、縦12センチ。同会でホームページなどのデザインをする坂野心一朗(ばんのしんいちろう)さん(63)が本殿と白蛇を描いた。31日は、絵馬に願い事を記して掛ける場所を設ける。「竜の彫刻を見た後は、巳の絵馬で縁起の良い年を迎えてほしい」と坂野さん。 絵馬は500円。約100枚作った。木彫の写真入りはがきなども販売。伝承を紹介するパネルも境内に掲示した。ライトアップは31日午後11時~1日午前1時ごろ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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