リニア中央新幹線関連で、県内の少なくとも計13カ所でボーリングなどの調査が行われていることが30日、沿線の関係者への取材で分かった。調査地点はJR東海が2011年8月に示した概略路線(3キロ幅)内の中央付近から南側を中心に分布。県内の調査地点のおおまかな全体像が明らかになるのは初めてで、これらの調査で得られた地質データなどを基に路線の絞り込みが行われるとみられる。 同社は、来年秋にも公表する環境影響評価(アセスメント)準備書で具体的な路線や中間駅の位置を示す。リニア計画は、14年に予定されている着工に向けた環境整備が進む。 13カ所のうち、新たに判明したのは飯田市から木曽郡南木曽町にかけての8カ所。飯田市は中央道西側の飯田風越高校敷地内、その西方の同市滝の沢、県営松川ダム西方の黒川沿い。下伊那郡阿智村は小黒川上流。南木曽町内は国道256号清内路トンネルの北方から岐阜県境に近い男滝・女滝付近にかけての計4カ所。このほか、岐阜県中津川市山口(旧木曽郡山口村)の1カ所も調査対象となっている。 これまでに判明済みの5調査地点は、天竜川の東側に位置する下伊那郡豊丘村南部の2カ所、これより西の飯田市内では中央道東側の同市上郷黒田、風越山の東方、県営松川ダムの南西地点。 南木曽町内の調査地点のうち、男滝・女滝付近ではボーリング調査に加え、地中で火薬を爆破させた振動で地質を調べる「弾性波探査」用の穴も掘削されている。 概略路線内での調査地点の分布を見ると、南木曽町内の一部は3キロ幅の中央付近に位置し、阿智村から飯田市、豊丘村にかけては風越山東方の1カ所を除き全てが3キロ幅内の南側に位置している。 JR東海広報部は、各調査地点が具体的な路線の位置を示しているということではないとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧