諏訪地方で、冬の冷え込みを生かした特産品「氷餅」作りが本格化している。諏訪市豊田の生産業者「小照(こてる)」では5日、「のり」と呼ばれるすりつぶして煮たもち米を、長方形の容器に流し込み、屋外で凍らせる仕込みの作業があった。温かい状態の「のり」を容器に入れると、辺り一面に真っ白な湯気が立ち上った。 凍らせた後に長さ約20センチ、厚さ約5センチの棒状に切り分け、ビニールハウス内で2週間ほど干せば完成。凍結と乾燥を繰り返すことでさくさくとした食感が出るといい、主に和菓子のまぶし粉などに使われる。 同社によると、近年は安価なオブラートなどを代用品として使う和菓子店が増えており、氷餅の生産量は減少傾向。小泉照治(てるじ)社長(54)は「氷餅だからこそ出せる独特の食感がある。自然相手の作業だけに大変だが、良いものを作り続けたい」と話していた。氷餅作りは今月下旬まで続く予定。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧