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特定外来生物の「オオハンゴウソウ」、上高地で初確認

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 環境省が特定外来生物に指定する北米原産のオオハンゴンソウ(キク科)が、中部山岳国立公園・北アルプス上高地(松本市安曇)の特別保護地区内で6日までに発見された。繁殖力が強く、生態系に影響を及ぼす特定外来生物の発見は、同省が上高地周辺で外来植物を調査し始めた1999年以来初めて。1カ所に限られ、希少な在来植物への影響はないとしているが、今後、外来種の調査や除去対策を強めていくとしている。  大正池から約1キロ下流の県道上高地公園線沿いのささやぶで8月下旬、外来種を調べていた職員らが見つけた。  黄色の花を付けた高さ約1・5メートルのオオハンゴンソウが10平方メートル余に生えていた。抜き取った重さは約8キロ。種が車両のタイヤに付着して低地から上高地まで運ばれてきた可能性があるとみられる。  環境省松本自然環境事務所(松本市)の外来植物調査に参加している信大農学部の渡辺修准教授(雑草学)によると、オオハンゴンソウは地下茎が広がり群生する。「地下茎が残っている可能性は高く、また生えてくると思う。根絶には2、3年かかる」と指摘。「他にも繰り返し種は運ばれているとみられ、早期の発見、除去が欠かせない」と話す。  同省外来生物対策室によると、日光国立公園(栃木県など)では、オオハンゴンソウが根絶不可能となるまで増え、在来種を減らしている。  松本自然環境事務所はことし、本格的な外来植物の分布調査を実施。現在、オオハンゴンソウの他に外来植物47種と、国内原産で上高地にもともと分布しなかった4種を確認。同事務所担当者は「早い段階で見つかったのは不幸中の幸い。侵入を完全に防ぐのは難しい」とし、今後植物に詳しい地元ガイドに外来植物除去への協力を呼び掛け、分布調査範囲も広げる予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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