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県「雑草イネ」対策本腰 等級落ち回避 ブランド力維持

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 県農政部は2013年度、主食用米のイネに交じって県内で繁殖が拡大している「雑草イネ」の防除対策に乗り出す。赤みがかったコメを実らせる雑草イネは、コシヒカリなど通常の栽培品種に紛れやすい上、除草剤だけでは防除できず、出荷時に混入するとコメの等級が落ちる要因となる。同部は「1等米比率」が全国トップ級の品質やブランド力を維持するには対応が不可欠として、実証試験や農家への周知などに取り組む。  雑草イネのコメは食べても問題は無いが、主食用米に紛れ込むと「異品種混入」とみなされる。また、繁殖が広がるとコシヒカリなど通常の栽培品種の生育が妨げられ、減収につながる。  同部は、12年は県内全域の水田およそ500ヘクタールに雑草イネが繁殖していると推計。調査を始めた5年前の3・6倍に拡大しているとみている。主食用と同じイネ科のため、一般的な水田除草剤だけでは防除が難しく、1本ずつ抜き取らなければならない。穂からもみが落ちやすい性質もあり、繁殖を防ぐ効果的な対策の確立が急務だった。  10年度から3年がかりで研究を続けてきた県農業試験場(須坂市)がまとめた対策は、「雑草イネが発生した水田では大豆やソバへの転作を図る」「水田に直接種もみをまく『直(じか)まき栽培』は雑草イネが増えやすく、発見したら通常の田植え栽培に切り替える」―などが柱。除草剤の効果的なタイミングでの使用や抜き取りの徹底と組み合わせることで、防除が可能としている。  同部は、3月末までにこれらの対策をまとめたマニュアルを作り、13年産米の作付け前に概要版を県内のコメ農家に配布する計画。対策を実証するモデル水田を県内4地域に設け、農家への指導に当たる県や県農協グループの職員向けの研修会も開く予定で、「コメ農家に広く呼び掛け、対策を徹底したい」(農業技術課)としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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