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ホエー入り培地でナメコ収穫増効果 県林業総合センター実験

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 県林業総合センター(塩尻市)は、チーズを作る過程でできる液状の「ホエー」を粉末化してナメコの培地に加えることで、収穫量が最大3割以上増加した―との研究結果をまとめた。牛乳から乳脂肪分などを除いたホエーは栄養価が高いが、保存が利かず臭いも強いため、ほとんどが廃棄されているという。県内は全国有数のナメコ産地だが、キノコ全体の価格は低迷しており、栽培農家の経営は厳しい。同センターは低コストな栄養添加剤として普及を図っていく考えだ。  ホエーのキノコ栽培への利用方法を探っていた信大農学部(上伊那郡南箕輪村)との共同研究。試験栽培は、民間のキノコ生産者とほぼ同じ資材と設備を使って同センターの施設で行った。ナメコの菌床栽培で一般的に使われるブナのおが粉を主体とした培地に、乾燥させて粉状にしたホエーを混ぜ、専用の瓶に入れて育てた。  ホエーを加えずに通常栽培した場合は1瓶当たりの平均収穫量が147・8グラム。一方、培地の重量の3%分に当たるホエーを加えた場合は平均196・1グラムとなり、32・7%増えた。濃度を変えて実験し、3%の添加で最も増加幅が大きかったという。  同センターは「ホエーの成分である糖質やミネラル類が菌糸の生育に効果的に働いた可能性がある」と分析。収穫までの所要日数も、ホエーを3%加えた場合で平均3日短縮したという。  県林務部と林野庁によると、県内のナメコ生産量は、2010年まで29年連続で全国1位。ただ、ナメコの市場価格はこの10年で約2割余下落しているという。  同センターによると、粉状に加工したホエーの価格は1キロ当たり300円程度といい、1瓶当たりの経費は0・5円程度で済む。「栄養添加剤としてホエーの需要が増加すればさらに価格が下がり、生産者が利用しやすくなる」(特産部)とし、実験データの公開や技術指導などを進めていく方針だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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