松本市浅間温泉1の小野昌宏さん(33)が、赤、青、白色の模様が回る理容店の看板「サインポール」を集めて、自宅に2年前に開いた「サインポール美術館」が県外者らに人気だ。形の凝った昔ながらの品を展示。幼少期からサインポールが好きだった小野さんにとっての「ライフワーク」の美術館だが、地元ではあまり知られておらず、「県内の人にも感動を与えられる場所にしたい」と意気込んでいる。 展示品は、小野さんが3年ほど前から理容店から譲ってもらったり、インターネットオークションで集めたりした8台。街灯のような形をしていたり、ガラスに細かい模様が入っていたりと、現在は製造されていない特徴ある品が多い。古い物だと30年以上の歴史があるという。 小野さんは兵庫県福崎町出身。3歳の時、近所の理容店のサインポールを見て「流れる模様が魔法みたい」と、とりこになった。高校卒業後、同県のメーカーなどで働いていたが、2011年に体調を崩して退職。将来について悩んでいた時期に、チャット(ネット上での会話)でサインポールへの思いをつづっていると、妻の恵梨華さん(26)が関心を寄せてくれた。その後、直接会って意気投合し、結婚。美術館創設を決意し、恵梨華さんが住む松本市に移り、同年11月に自宅1階を美術館として開館した。 昨夏、ホームページを開設した。来場者のほとんどが県外からで「地元の人にも懐かしんでもらったり魅力を伝えたりしたい」と小野さん。現在、サインポールの修理や独自製品の開発、販売も手掛けている。今後、レトロなサインポールを生産する会社をつくる夢も抱いている。 午前10時~午後6時。日曜・祝日は休館。入場料はお茶代込みで500円。「来館時はできれば予約を」と小野さん。問い合わせは小野さん(電話080・1467・9184)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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