長野市篠ノ井塩崎の3地区で13日、県無形民俗文化財のどんど焼きがあった。このうち越地区では、長谷越公民館の庭に地域住民がこの日立てた高さ4メートルほどのわら人形に夕方火を付け、子孫繁栄や夫婦円満などを願った。 わら人形は「オスガタ」と呼ばれ、長い腕が男性器を抱え込む姿勢。女性器を表したわら細工も添えられた。近くの道祖神前で付けた火をちょうちんで運び、人形に着火。集まった多くの地域住民や写真愛好家らが見守る中、暗闇を突き破るように炎が上がり、竹が燃える「ぱちぱち」という音が辺りに響いた。10分余りで「オスガタ」は崩れ落ちた。 越地区の保存会長、宮崎国吉さん(73)は「五穀豊穣(ほうじょう)などさまざまな願いがあるが、何よりも災害のない1年になってほしい」。着火に加わった塩崎小学校5年、春日謙汰君(11)は「昔からの行事。これからも続いていってほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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