受験生たちが目指す大学側では、東大が国際化を狙って提唱した「秋入学」が議論されている。大学入試センター試験初日の19日、県内の試験会場で受験生に「自分が秋に入学するとなったら賛成か」と尋ねると、前向きな声が目立った。 「留学したり海外で働きたいと考えている」。信大松本キャンパスで受けた現役男子(18)=松本市=は賛成だ。賛成派の多くが、留学を希望したり仕事で英語を使うことを想定したりしていた。 入試が春のままの場合、入学までに半年近い「ギャップターム」ができる。この期間についても、賛成派は「英語を勉強する」「専門分野を学びたい」と積極的だった。 ただ、賛成でも卒業時に不安を感じる受験生がいた。私大経済系学部志望の現役男子(18)=佐久市=は「大学が変わっても、日本の社会全体にその流れを受け止める土壌がまだないのではないか」。企業側に秋採用の態勢が整っていないことを指摘した。 秋入学の構想は、国際情勢に合わせるという考えが出発点。「反対」とした受験生は、春入学を「伝統、文化」と感じていた。「留学や奉仕活動など、ギャップタームに行うことを大学側が明確にしてほしい」という声もあった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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