県厚生連佐久総合病院(本院・佐久市)に21日、タイ保健省の幹部13人が視察に訪れた。高齢化が進んでいる同国が、日本の診療報酬制度や介護保険制度を参考にしようと派遣。地域医療の先進例として、同病院が実践してきた予防運動や高齢者医療などの説明に耳を傾けた。 一行は南佐久郡小海町の同病院分院や老人保健施設などを見学。本院では地域ケア科の北沢彰浩医師から、名誉総長を務めた故若月俊一医師が赴任してから現在までの取り組みや、同院の理念などについて説明を受けた。同郡の旧八千穂村(現佐久穂町)での「全村健康管理運動」により、医療費が県や全国の平均を下回ったことを聞くと、感心した様子だった。 タイはすでに60歳以上人口が全人口の1割を超え、今後医療費や介護費の増加が見込まれるという。17日から東京都内などの医療機関を視察し、案内する世界銀行東京事務所の勧めで、佐久総合病院を訪れた。ウィナイ・サワッディウォーン国家健康保険事務所理事長は「病院や診療所、家庭との連携を図っていくことはとても良い取り組み。地域を理解しなければならないと実感した」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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