サッカーJ2松本山雅FCの鹿児島市での3次キャンプに、熱心な信州のサポーターや鹿児島のサッカーファンが連日見学に訪れている。11日は同じJ2のギラヴァンツ北九州との練習試合があり、遠く信州から駆け付けたサポーターらは、クラブカラーの緑色のフラッグを用意したり、タオルマフラーを身に着けたりして、ゴールが決まると拍手で喜んだ。
松本市蟻ケ崎の栗田園子さん(57)は「遠いけれど、開幕に向けてどの選手の調子が良いか見られてわくわくする」。2年連続で訪れた上田市小島の元木淳さん(49)も、仕上がり具合を見るのが「楽しい」と話していた。
鹿児島ではプロスポーツチームのキャンプ地を巡るスタンプラリーもあり、地元の人も見学に訪れる。上田市出身で鹿児島市在住の団体職員伊藤博実さん(63)は8日に練習を見学。「上田高校の後輩の塩沢勝吾選手を見に来た。山雅のキャンプは信州のいいPRになる」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
山雅に声援、鹿児島でも 信州から連日キャンプ見学者
値切り楽しくだるま市 伊那・高遠町の鉾持神社にぎわう
伊那市高遠町の鉾持(ほこじ)神社参道を中心に11日、恒例のだるま市が開かれた。神社の祈年祭に合わせた伝統行事。青空の下、参道の露店にはさまざまの福だるまが並び、家内安全や商売繁盛を願って買い求める人たちでにぎわった。
だるまは、手のひらに乗るものから高さ60センチほどのものまで。販売歴30年という倉島孝行さん(60)=長野市=が売る店では、例年通り高さ約30センチの中型が売れ筋。値札は付いておらず、価格は交渉次第。店頭では「もっと勉強してよ」「じゃあこれも付けて6千円」といったやりとりも見られた。
倉島さんは「お客さんと触れ合う商売が楽しい。だるまを飾る日本人の心がこれからも受け継がれていけばいい」。高さ約30センチのだるまを買った上伊那郡南箕輪村の公務員男性(45)は「次男の高校受験がうまくいくように願いを込めて、神棚に飾りたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
米オスプレイ反対住民追った映画 長野で上映、沖縄の怒り学ぶ
米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄への配備に反対する住民の姿を追ったドキュメンタリー映画「標的の村」(琉球朝日放送制作)の上映会が11日、長野市であった。市民有志が企画し、計3回の上映で約630人が鑑賞。沖縄県民の怒りが伝わってくる場面が次々と映し出され、来場者はじっと見入った=写真。
沖縄本島北部の東村(ひがしそん)の高江集落を囲むように計画されたオスプレイの離着陸帯の建設に反対し、工事用ダンプの前に座り込む女性たちや、配備先の米軍普天間飛行場(宜野湾市)のゲートを封鎖して警察に排除される市民の姿が紹介された。
オスプレイの使用を明らかにしないまま離着陸帯の工事を進める防衛省職員に対し、「何が起きるのか分からないまま進められている。私たちには知る権利もないのか」と詰め寄る住民の姿もあった。
沖縄県在住の友人がいるという長野市稲里町の自営業桜井弥生さん(37)は「長野からは遠く、基地問題は現実味がなかったが、沖縄は返還後も米国の占領下と同じ扱いをされ、それに甘んじている(本土の)自分たちがいることが分かった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
書道ガールズ、特殊詐欺撲滅訴え 大町北高、あめ市で披露
大町市の大町北高校書道部の書道ガールズ8人が11日、特殊詐欺撲滅の願いを込めて大書するパフォーマンスを、市街地で開かれた「大町あめ市」で披露した。軽快な音楽に合わせて縦3メートル、横4メートルの和紙に巨大な筆で「護」などと書き、全員で「みんなで築こう安心安全の街」と観客に訴えた。
県警の特殊詐欺被害防止の強化月間に合わせ、大町署の依頼を受けて実施。書く文字は部員たちで相談して決めた。力強い文字で緑と赤も交えて「騙(だま)されない あなたの幸せ護(まも)る 家族の輪 地域の輪 みんなで築こう 安心・安全の街」と書いた。
部長の桝田加奈子さん(17)=2年=は「特殊詐欺はお年寄りだけでなく若者も被害に遭う。作品には、自分の幸せや家族の幸せを守る願いを込めた」と話していた。大町署は、部員たちの作品を署のロビーに年末まで飾る。
あめ市には、縁起物のあめやだるまを売る屋台が並び、スタンプラリーや大道芸の披露などがあり、主催者側によると5千人を超える人出でにぎわった。(長野県、信濃毎日新聞社)
「もっと遊びたかった」 収賄容疑の元事務長供述
県建設業厚生年金基金(長野市)の巨額投資に絡み、収賄容疑で再逮捕された元事務長坂本芳信容疑者(56)=業務上横領罪で公判中=が県警の調べに対し、未公開株を扱うファンド運営会社側から賄賂を受け取ったのは「もっと遊ぶための金が欲しかったから」などと供述していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。未公開株への投資は2003年~08年の間に総額約68億円に上り、県警は投資を膨らませた動機の一つとみて慎重に調べている。
贈賄側は都内のファンド運営会社「アール・ビーインベストメント・アンド・コンサルティング」。再逮捕容疑は、05年7月ごろから06年7月ごろまでの間に、未公開株への投資の契約や投資の継続などで便宜を受けた謝礼として「アール」社役員らから3回にわたり、現金総額四百数十万円を受け取った疑い。
捜査関係者によると、坂本容疑者はこれまでに、基金で明らかになった総額23億円余りの使途不明金について「全て着服した」と供述し、アール社側から都内の高級クラブなどで接待を受けるうちに、「自分でも遊びたいと思い、横領を始めた」などと説明している。(長野県、信濃毎日新聞社)
素足で「えいやっ」 阿智の寺で無病息災願い「火渡り護摩」
下伊那郡阿智村園原の信濃比叡広拯院(こうじょういん)で11日、無病息災などを祈る恒例行事「火渡り護摩」が行われた。お札や護摩木を燃やしたおきの上を、行者に続いて観光客や地元住民らが願いを込めながら素足で歩いた。
会場となった境内の広場は、先週末に降った雪に覆われていた。約2メートルの高さに積み上げられたヒノキやスギの枝葉に火が放たれると、勢いよく白煙と炎が上がり、行者たちは願い事が記された護摩木を放り込んでいった。
火は40分ほどで小さくなり、おきは約3メートル四方の広さに延ばされた。まだ煙が出ているおきの上を村上光田(こうでん)住職(81)や行者が掛け声とともに素足で渡ると、観客から大きな拍手が起こった。
続いて住民や観光客たちも素足になり、手を合わせたりしながらおきの上を渡っていった。阿智村智里の熊谷心(しん)ちゃん(3)は「思ったより熱くなかった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
広がるAC長野応援の輪 地域活性化へ佐久で交流集会
今季からサッカーJ3リーグ(J3)に参戦するAC長野パルセイロを応援する佐久市民のグループ「パルサポ千曲川佐久支部」は11日、サポーターらの交流集会を同市中込商店街の「ほんわ館」で開いた。今季のAC長野ホーム18試合のうち11試合が佐久市で開かれるため、チームや地域を盛り上げようと初めて企画した。同市や長野市などから約40人が集まり、試合会場で佐久市の名物を販売するといった意見を出し合った。
「パルセイロで地元商店街を盛り上げよう」などのテーマに沿って、支部が事前に考えた提案を発表。支部代表で佐久市の会社員山浦公義さん(33)は「(佐久市の)試合会場に近い中込商店街と協力し、AC長野のチームカラーのオレンジ色を生かした商品を開発したい」と提案した。同市にはコイ料理やみそカツ丼などの名物があり、試合会場で提供すればサッカーを知らない人も訪れるきっかけになるという意見もあった。
AC長野は、本拠地の南長野運動公園総合球技場(長野市)の改修工事に伴い、昨年8月から佐久市でホーム試合を開催。これをきっかけに試合を見始めたという佐久市の会社員高橋和洋さん(34)は「これまで佐久市のサポーターと交流する機会は少なかったので、知り合いが増えそう」と喜んだ。山浦さんは「交流集会で生まれたサポーターの輪を今後より広げて、具体的な活動につなげたい」と意気込んでいた。
交流集会にはAC長野運営会社の丹羽洋介社長や土橋宏由樹アンバサダーも出席。丹羽社長は「佐久市でも盛り上がりを感じる。より佐久で応援していただけるようにしたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
奈緒、惜しかった 松本や茅野で大声援「次に期待」
メダル圏内までわずか0・13秒差―。11日夜から12日未明にかけてのスピードスケート女子500メートルに出場した小平奈緒選手(27)を、所属する相沢病院(松本市)の関係者や出身地の茅野市の市民らがパブリックビューイング(PV)で応援した。小平選手は前回バンクーバー大会に続く五輪。この日の5位の結果に集まった人たちは健闘をたたえ、「次の1000メートルこそは」と期待する声が相次いだ。
相沢病院は病院に隣接する松本市本庄2のヤマサ大ホールでPVを企画した。病院職員や地元住民ら約120人が詰めかけ、大型スクリーンでの生中継映像を見ながら、熱いエールを送った。
法被を羽織り、手には応援用の棒状の風船「スティックバルーン」。12日未明、小平選手が2回目のレースに登場すると会場は熱気に包まれ、「小平ー!」「追えー!」などの声が飛び交った。メダルが取れないと分かるとため息が漏れたが、健闘をたたえる拍手が起こった。
バンクーバー五輪でもPVで小平選手を応援したという病院職員の横山隆明さん(58)=松本市=は5位の結果を受けて「応援している自分もドキドキした。よく頑張ったと思う」。相沢病院にリハビリなどで通院してきた松本市の滝沢偕子(ともこ)さん(83)は小平選手の大ファンで、長野市での大会には足を運んで応援してきた。ソチへも行きたかったが、体調が芳しくなく諦めた。「素晴らしい滑りだった。奈緒さんから元気をもらった」と話していた。
現地で応援した相沢孝夫理事長・院長はレース後、電話の取材に「滑走後に応援団に手を挙げてにこっと笑ってくれた。メダルには届かなかったが、力を出し切れたのだと思う」と話した。
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「先輩頑張れ」―。小平選手の母校、茅野市湖東の北部中学校では生徒会主催のPVがあり、生徒や住民、教職員など計約110人が大型スクリーンで観戦した。惜しくもメダルには届かなかったが、懸命な滑りに拍手が起こり、次に出場予定の1000メートルに期待する声も出ていた。
生徒会長で2年の保科竜真君(13)はレース後、「今回のレースでリンクの感覚がつかめたと思うので、1000メートルではメダルをとってほしい」と話していた。
レース前には生徒会役員が呼び掛け、集まった全員で応援練習。スタートからどんどん加速する小平選手に向かって、集まった人たちは棒状の風船をたたき、「がんばれ」「いけいけ」と応援した。
小平選手の実家がある茅野市豊平の南大塩区では、公民館に親戚や住民約150人が集まった。大型スクリーンを設けた大広間には、小平選手の友人や後輩らが寄せた応援旗がずらり。住民らは「力の限りお願いだあ」と応援の木遣(や)りを歌って出走を待った。
神奈川県鎌倉市から応援に駆け付けた小平選手の姉、和田知佳さん(32)は「ガッツポーズは見られなかったけれど、笑顔が見られて良かった。本人が納得できる滑りが出来たら、それだけで十分。次も思い切りやってほしい」。
祖母の小平ミエさん(87)=茅野市豊平=は「思い通りの滑りができたと思う。精いっぱいやってくれた」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
ジャンプ女子 山田選手に小谷から熱い拍手
12日未明、ソチ冬季五輪ノルディックスキー・ジャンプ女子が行われ、北安曇郡小谷村の山田優梨菜選手(17)=白馬高校=が出場した。村内から五輪に出場するのは1992年のアルベールビル五輪以来、2人目の快挙。村役場多目的ホールの特設応援会場には、約80人の村民らが駆けつけ、地元期待の星に大きな声援を送った。
村や住民有志は、「翔(と)べ!山田優梨菜」と書かれた応援でたたく棒状の風船を配ったり、山田選手を激励する地元小中学生を撮った映像を上映したりして会場を盛り上げた。山田選手は実力を出し切れず30位に終わったが、ジャンプ2本を無事飛び終えると、来場者たちは「お疲れさま」「頑張った」と大きな拍手で奮闘をねぎらった。
会場では山田選手の父清さん(48)、母直美さん(44)も観戦。直美さんは観戦後、山田選手が現地で食事を十分に取れないほど重圧を感じていたことを明かし、「(昨年1月に負った左膝靱帯(じんたい)断裂の)大けがを乗り越えてよく頑張った。帰ってきたら褒めてあげたい」と目に涙をにじませた。
山田選手の指導経験がある村体育協会スキー部アドバイザーの鷲沢定雄さん(70)は「夢の舞台を経験して精神的に強くなったはず。次回の五輪に向け、今後の成長と活躍が楽しみ」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
都道府県対抗駅伝、優勝を報告 県チームが獲得の天皇杯持参
1月の第19回全国都道府県対抗男子駅伝で、5年ぶり6度目の優勝を果たした県チームが12日、県庁や信濃毎日新聞長野本社(長野市)で優勝を報告した。
第15回大会から授与されるようになり、初めて獲得した天皇杯を持参。県庁では、阿部守一知事から知事表彰を受けた。
高見沢勝監督は「当初から優勝を目標にやってきた。中高生がきちんとたすきをつなぎ、一般区間の2選手が区間賞を取る充実したレースで優勝できた」と報告。3区で区間賞を獲得した主将の上野裕一郎選手(DeNA)は、「先頭でテレビに映りたいと思い、それを実行できた」と話した。
信毎長野本社では、小坂壮太郎社長が大会翌日の紙面を飾った写真を各選手に贈った。(長野県、信濃毎日新聞社)
大雪の農業被害3460万円に拡大 県まとめ、22市町村で
県農政部は12日、8日を中心にした全県的な大雪による農業被害の追加集計をまとめた。農業用ハウスの損壊や野菜、花の被害は22市町村で計約3460万円に上り、10市町村で計約1410万円としていた10日時点の集計から被害規模が拡大した。
降り積もった雪の重みでパイプハウスが倒壊したり骨組みが曲がったりした生産施設の被害は341棟で計約3290万円。耐用年数内のハウスだけを対象に被害算定した。耐用年数を超えて損害を受けた施設もあり、実質的な被害はさらに大きいとみられる。
農作物被害は駒ケ根市、上伊那郡の飯島町、中川村、宮田村の4市町村であり、ホウレンソウやコマツナ、チューリップなどで計約170万円だった。(長野県、信濃毎日新聞社)
諏訪の終末処理場、金含む灰 セシウム濃度低い1種類のみ落札
県は12日、諏訪湖流域下水道豊田終末処理場(諏訪市豊田)の下水処理で生じた、金を含む汚泥焼却灰などを売却する一般競争入札を開札した。2品目・3種類を入札に掛けたが、売却できたのは、汚泥を溶融炉で溶かす際に出る「溶融飛灰」のうち放射性セシウム濃度が1キロ当たり200ベクレル未満の1種類3・3トンにとどまった。
入札には県外業者1社が参加し、落札額は約350万円。残る200ベクレル以上の溶融飛灰2・2トンと、溶融炉と煙突をつなぐ煙道に付着する「煙道スラグ」0・5トンは買い手が付かなかった。東京電力・福島第1原発事故後、業者側は金を取り出した後の「残さ」の処理に苦慮しているといい、昨年度の入札では1品目も売却できなかった。
このため県は今回、溶融飛灰を放射性セシウムの濃度に応じ2種類に分けて入札。県諏訪湖流域下水道事務所は「手探りだったが、一部でも売却できただけ効果はあった」としている。この日落札した業者の担当者は、放射性物質の濃度が低い種類に限定した理由について「後処理などを考えた」と話した。
県諏訪建設事務所によると、入札には別の県外業者1社からの参加申請もあったが、灰などの処理方法に関する計画書を出さないなど資格を満たさなかった。
売却益は施設の維持管理費に充て、売却できなかった飛灰などは同処理場で保管。東電への賠償請求も含めて検討するという。(長野県、信濃毎日新聞社)
松本城天守、初の耐震診断へ 14年度から3年計画
松本市教育委員会は2014年度、国宝松本城天守について初の耐震診断を3年計画で実施する。解体はせず、外観から得られる情報に基づく耐震基礎診断で、市は12日発表した14年度松本城特別会計当初予算案に1457万円を盛った。
耐震診断は、国の重要文化財(建造物)耐震診断指針に基づき、11年6月30日に市内で最大震度5強を記録した地震で天守が被害に遭ったことなどを受けて計画。費用は国庫補助を65%受ける。
診断結果を受けて、市教委は17年度以降、国と協議して耐震対策を施す予定。松本城管理事務所は「国内外から訪れる大勢の観覧者の安全を確保し、文化財的価値を守るため、診断に基づき補強案を作る」としている。
11年6月の地震で天守内壁にできた数十カ所のひびは、12年度で修復を終えている。その際、被害を受けた埋門南側の石垣は本年度に解体工事を終え、4月以降、積み直し工事に移る計画。市は14年度当初予算案に整備事業費5294万円を計上した。(長野県、信濃毎日新聞社)
安全登山は啓発・情報発信で 県遭難防止検討会、入山規制見送り
県の山岳遭難防止対策検討会(座長・節田重節(せつだじゅうせつ)日本山岳会副会長)は12日、県庁で最終会合を開き、安全登山は入山規制によらずに啓発活動や情報発信を柱に対応する内容でまとめた報告書案を了承した。県は提言を踏まえ、新設する山岳高原観光課を中心に具体的な対応を進める。
報告書案は、県内を訪れる登山者層は中高年のほか、20~30代女性を中心とする「山ガール」や韓国など外国人にも広がり、経験や危険性の認識が不十分な人たちが増えていると指摘。阿部守一知事が検討会の議論で視野に入れるよう求めていた入山規制について「効果は期待できるが個人の自由な活動を制限することになる」とし、山の裾野が広い県内では規制地域や期間の設定が困難と結論付けた。
入山規制以外の対策としては、登山者の多くが情報を入手しているインターネットを活用して遭難防止につながる情報を積極的に発信することや、主な登山口で遭難の危険性を直接登山者に訴える取り組みなどを挙げた。
委員からは「遭難が増え、入山規制もやむを得ない―との議論もあり得たが、導入見送りは評価できる」といった意見が出た。この日の議論も踏まえて節田(せつだ)座長が報告書をまとめ、3月下旬に知事に提出する。(長野県、信濃毎日新聞社)
廃食油で作るバイオディーゼル燃料 浅間温泉のGSで販売へ
松本市の浅間温泉観光協会や市内の環境団体などでつくる「松本浅間温泉地域環境モデル推進協議会」は3月1日、廃食油で作るバイオディーゼル燃料(BDF)を軽油に5%混合したディーゼルエンジン用の燃料「B5」の販売を始める。浅間温泉にある松本シェル石油浅間給油所に販売を委託する予定で、一般の給油所でBDFを使った燃料を販売するのは県内で初めてとしている。
使用するBDFには、浅間温泉の宿泊施設などで出た廃食油も使われており、推進協の山本浩司会長(61)は「エネルギーの地産地消を実現したい」と話している。販売対象は当面、同協会加盟の14の宿泊施設が保有するマイクロバスだが、将来は地元住民にも広げたいとしている。
同給油所に容量600リットルほどのB5専用給油機を設置する。各宿泊施設のマイクロバスは計十数台で、B5使用量は年間1万4千リットルを見込む。
松本地方で年8万リットルの廃食油を回収している「寿バイオ」(塩尻市)が製造するBDFを使い、県外でB5に精製。価格は軽油より割高の見込みだが、廃食油の回収量が増えれば値下げも可能という。
推進協は「環境に優しい温泉地」を目指して2012年に発足。同11月にマイクロバス2台でB5の実証実験を始め、走行などに問題はないと判断した。実験では手作業で給油したが、ほかのマイクロバスも利用できるよう、同給油所に協力を求めて給油機設置を決めた。県の地域発元気づくり支援金を活用した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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連夜の「ごう音」、佐久地方で苦情相次ぐ
佐久市役所に12日夜、前夜と同じように「ジェット機が飛ぶようなごう音が響いた」などの問い合わせと苦情の電話が相次いだ。市への問い合わせの内容や、信濃毎日新聞社に寄せられた住民の話などを総合すると、音が聞こえたのは午後7時すぎから午後8時半ごろまでで、市への電話は約30件に上った。11日夜に問い合わせなどがなかった小諸市、北佐久郡の軽井沢、御代田、立科の3町でも、住民や職員らから「音を聞いた」との情報があった。
防衛省航空幕僚監部(東京)、陸上自衛隊東部方面総監部(同)、在日米軍司令部(同)は12日、信濃毎日新聞の取材に、11日夜にごう音が聞かれたという11日午後7時すぎの時間帯には、佐久地方で関係する所属機は飛んでいない、と回答した。12日夜のごう音については、航空幕僚監部が「飛行していない」(広報室)と回答し、他の2機関は「確認中」などとした。(長野県、信濃毎日新聞社)
「暁斗」コール喜び爆発 白馬と所属先、夢の五輪メダルに沸く
「やったー」「すごいぞ」―。12日夜、ソチ五輪のノルディックスキー複合の渡部暁斗選手(25)=北野建設=が個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得すると、約120人が集まった地元の北安曇郡白馬村役場多目的ホールの特設応援会場は歓喜の大歓声に包まれた。
前半ジャンプの結果で、後半距離10キロは暁斗選手は6秒差の2位、弟の善斗選手(22)=早大・白馬高出=は36秒差の10位でスタート。暁斗選手が1・5キロ地点で先頭に並ぶと、会場は「行けー」と大興奮。そのままトップ争いを続けると「暁斗、暁斗」とコールがこだました。ゴール直前で突き放されると悲鳴が上がったが、2位でゴールすると来場者たちは「やったー」と立ち上がって抱き合ったり、拳を突き上げたりして喜びを爆発させた。善斗選手も15位と健闘、「頑張った」との声が上がった。
スキー競技者を多数輩出している白馬村だが、五輪メダリストは初めて。幼いころから兄弟を知る県スキー連盟ジャンプ、コンバインド部長の太田文仁さん(46)=白馬村=は、「暁斗は小学生のころから抜群のバランス感覚で、周囲に、いつかは五輪でメダルを―と期待させていたが、それが本当に実現した。最高です」と大喜び。
暁斗選手と保育園から中学校まで一緒だった小田佳奈里さん(25)=同村=は、飯山南高校(現飯山高校)までスキー距離の選手として活躍し、現在は白馬の小学生たちを指導している。小田さんも、暁斗選手と同様に1998年の長野冬季五輪の日本代表選手たちに憧れた。銀メダル獲得の瞬間に感涙し、「あれから16年たち、今度は暁斗が子どもたちの憧れになった」。
18日には個人ラージヒル、20日には団体も控えている。小田さんは「今回で手応えをつかんだはず。次は金メダルで子どもたちにもっともっと夢を与えてほしい」と期待を込めた。
◇
渡部暁斗選手が所属する北野建設では12日夜、社員ら約100人が長野市の本社大会議室に残り、大型スクリーンに映し出される渡部選手の姿を見ながら声援を送った。銀メダルが確定した瞬間、会議室は絶叫の渦。社員らは一斉に立ち上がり、「よくやったぞー」などと叫んだ。
仕事を終え、会議室に集まった社員らはそろいの会社の法被を身に着け、旗を振ったり、メガホンをたたいたりして「頼むぞ、暁斗」などと声援を送った。渡部選手の姿が映されるたび、「いいぞ、暁斗」「行け」などと声援を送り続けた。
長野冬季五輪から北野建設所属選手の応援団長を務める営業部課長補佐の糸田健一さん(48)は「やりましたよ、暁斗は。ハラハラした場面はあったけれど、よく銀メダルを取ってくれた」と興奮した様子だった。社員の直江富美さんは「最後は涙が出そうだった。おめでとうと声を掛けたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
踊り「信濃の国」DVD化 県フォークダンス連盟、次世代継承願い
県フォークダンス連盟民踊部会が、1978(昭和53)年のやまびこ国体に合わせて創作した「信濃の国」の踊りを次世代に伝えようと、振り付けを録画したDVDを作った。150枚用意し、希望する県内の教育委員会や公民館などに配り始めた。
踊れる人が高齢化し、踊りが途絶えるのではないかとの懸念から、DVDを作ることになった。内容は約16分で、信濃の国に合わせて通しで踊る場面と、隊形や振り付けの解説の2部構成とした。
やまびこ国体では、開会式後に同部会考案の踊りを約2千人で踊ったが、その後はあまり普及しなかったという。学校の運動会や地域の盆踊りなどを通じ、若い世代にも踊ってもらうことを目指す。
民踊部会の一部メンバーは13日夜、松本市内に集まって歌詞を口ずさみながら踊りを練習。同部会常任理事の山本博子さん(80)=松本市=は「信州の文化として大切に残したい」と話していた。
同部会は、踊りの指導の要望があれば可能な限り対応するとしている。問い合わせは部会長の松沢邦子さん(電話0261・62・5198)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
科学の魅力、児童に伝える教室 箕輪北小で東海大三高科学部
上伊那郡箕輪町の箕輪北小学校で13日、東海大三高校(茅野市)科学部の「科学教室」があった。教室は主に諏訪地方で開いているが、昨年、同高の文化祭を訪れた箕輪北小4年生と保護者が招きたいと担任に相談し、実現した。4年生77人が実験を見たり、スーパーボールや人工イクラを作ったりして、楽しみながら科学の不思議に触れた。
部員は児童の手を借り、煙を入れた段ボールをたたいて穴から煙の輪を出す「空気砲」を実演。強力磁石にたくさんのクリップがくっつく様子も見せた。児童はろうそくやゼリー状の「スライム」も作り、ものが解けたり固まったりする現象を体験した。
飯島聖雅君(9)は「どうしてものが固まるのか不思議。勉強してみたい」、山田真冬さん(10)は「科学に興味を持てた」と話した。
科学部長の2年名取ありささん(17)は「今日の実験はまだ子どもたちが習わない分野が多かったけれど、どうしてこうなるのかなと素直に考え、科学に興味を持ってほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)