信州大(本部・松本市)は13日、今春入試の2次試験の確定志願者数を発表した。8学部計1610人の募集に9638人が志願。倍率は6・0倍と昨年を1・1ポイント上回った。医学部医学科の後期は、倍率が37・8倍と20倍を超えたため、2次試験の前にセンター試験の成績と書類選考で第1段階選抜を行う。
学科、課程、系ごとの倍率は次の通り。工学部の機械システム、電気電子、土木、物質の各学科は前期のみ、その他は全て前期、後期それぞれの倍率。
【人文】▽人文 前3・8、後8・5
【教育】▽学校教育教員養成 前2・7、後12・4▽特別支援学校教員養成 前3・5、後12・2▽生涯スポーツ 前3・0、後11・0▽教育カウンセリング 前2・5、後8・5
【経済】▽経済 前3・2、後3・9▽経済システム法 前2・4、後4・9
【理】▽数理・自然情報 前2・3、後4・9▽物理 前3・6、後2・6▽化学 前3・7、後3・3▽地質 前2・7、後10・8▽生物 前3・4、後13・9▽物質循環 前4・0、後9・7
【医】▽医 前15・4、後37・8▽保健 前4・3、後9・0
【工】▽機械システム 3・9▽電気電子 2・7▽土木 2・2▽建築 前3・7、後10・9▽物質3・9▽情報 前2・6、後7・8▽環境機能 前4・0、後29・5
【農】▽食料生産 前4・1、後8・7▽森林 前2・0、後8・4▽応用生命 前4・0、後5・6
【繊維】▽繊維・感性工学 前2・9、後6・1▽機械・ロボット 前3・4、後9・7▽化学・材料 前1・9、後7・0▽応用生物 前4・5、後12・5(長野県、信濃毎日新聞社)
信大の確定志願倍率6.0倍 昨年を1.1ポイント上回る
「自分はだまされない」6割 県警、昨年の被害者アンケート
県内で昨年、特殊詐欺の被害に遭った人を対象に県警が初めて実施したアンケート調査で、回答者の6割余りが「自分はだまされないと考えていた」ことが13日、分かった。金融機関で職員に声を掛けられた人の9割近くが犯人を信用したまま結果的に被害に遭っており、特殊詐欺防止の意識が浸透していない実態が浮かび上がった。
アンケートは県警が昨年認知した全被害者195人を対象に、昨年11月から今年1月にかけて電話や面接で実施し、129人から回答を得た。
被害を受けるまで、「自分はだまされないと考えていた」人は62%、「詐欺について考えたことがなかった」人は28%を占めた=グラフ。一方で、結果的に犯人を「信用した」(「完全に」「ほぼ」の合計)は111人に上り、全体の9割近くを占めた。
金融機関で多額の現金を引き出そうとしたり、犯人の指定した口座に現金を振り込もうとしたりして、職員らから注意の声掛けを受けた人は全体の4割余りの55人いたが、うち47人は犯人を信用しだまされていた。
生活安全企画課は「犯人は身の上話を会話に挟むなど巧妙。銀行の職員に声を掛けられた場合の受け答えを指示する犯人もいる」と指摘。被害防止には、自宅の電話が非通知の着信の場合に受けないように設定するなど、まずは犯人からの電話を受けない対策が必要だ―としている。
同課によると、昨年1年間に認知した特殊詐欺の被害額は2004年の統計開始以来最多の10億8800万円に上った。(長野県、信濃毎日新聞社)
所属先に応援感謝の懸垂幕 渡部暁斗選手の銀メダル獲得で
ソチ五輪で銀メダルを獲得した渡部暁斗選手=北安曇郡白馬村出身=が所属する北野建設は13日、長野市県町の本社ビルに応援に感謝する懸垂幕を掲げた。「銀」の大きな文字とともに「ご声援ありがとうございました」と書かれている。
社員十数人が拍手で見守りながら懸垂幕を掲揚した。渡部選手と同期入社の水野美江さん(25)は「銀メダルを取ってくれてとてもうれしい。新入社員研修を隣で受けていた人が世界の舞台で活躍していて本当にすごい」。昨年春に入社した田中拓郎さん(21)は「五輪メダリストが同じ会社にいることを誇りに思います」と喜んでいた。(長野県、信濃毎日新聞社)
渡部暁斗選手「ぼくは、世界一になる」 白馬北小の卒業文集に夢
ソチ五輪のノルディックスキー複合の個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した渡部暁斗(わたべあきと)選手(25)=北野建設=は、北安曇郡白馬村白馬北小学校の卒業文集に「世界一になる」と決意を書いていた。同級生たちは「子どものころの夢を実現させてほしい」と、18日の個人ラージヒル、20日の団体での金メダルを期待している。
渡部選手は地元で行われた1998年の長野五輪に感激し、小学4年でスキージャンプを始め、白馬中学から複合を始めた。文集には、「日本一になってから、世界一になるためにワールドカップに出る。おぼえていれば応援してくれるとありがたい」と書かれている。
白馬北小で同級生だった村職員の山岸大輝さん(25)は「文集に書いた決意の通り、メダリストになって驚いた」と話す。渡部選手は小学校卒業直前に「これからもスキーを頑張りたい」と周囲に言っていたといい、山岸さんは「ベストを尽くし、『世界一』の夢をかなえてほしい」とエールを送っていた。
また13日、渡部選手の父親の修さん(58)=白馬村=が村役場を通じてコメントを発表した。「とても感激しています。うれしさも最高です」と喜びを表した。
このほか、「コーチ関係者、応援してくれた皆さんに感謝します。五輪選手の活躍を見てスキージャンプやクロスカントリーを始める子どもが、1人でも増えてくれることを願っています」と記した。(長野県、信濃毎日新聞社)
AC長野パルセイロに「大空翼」から100万円 匿名の寄付届く
サッカーJ3リーグ(J3)のAC長野パルセイロに、匿名で100万円の寄付があった。同封の紙には人気サッカー漫画の主人公にちなんで「長野パルセイロを愛する大空翼より」と書かれていた。AC長野の運営会社の丹羽洋介社長は「感謝の気持ちでいっぱい」と喜んでいる。
7日に丹羽さんが配達業者から受け取り、中身を確認すると、100万円が入っていたという。
用紙に記されたメッセージは「私は、AC長野パルセイロを応援するファンの一人です」で始まり、3月9日のJ3開幕を心待ちにしていることや、J2(Jリーグ2部)昇格へ向けて一緒に歩む気持ちなどがつづられている。
その上で、「長野を離れている状況では、何かを仕掛けることもできません」と説明。「私が用意できたお金を、勝手ですが、クラブ側に託したい」としている。
100万円はチームの強化費に充てる予定。丹羽さんは「封筒から取り出した100万円は温かく感じた。恩返しのためにも、今季J3を優勝し、J2に昇格したい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
佐久地方「ごう音」問題続く 13日も問い合わせ・苦情相次ぐ
佐久市周辺で11日夜から、ジェット機のようなごう音が聞こえるとの苦情や問い合わせが相次いでいる問題で、13日夜も佐久市役所に10件ほど、小諸市役所や北佐久郡軽井沢町役場などにも数件の問い合わせなどが寄せられた。
陸上自衛隊東部方面総監部(東京)は13日、12日午後7時に相馬原駐屯地(群馬県榛東(しんとう)村)を離陸した大型輸送ヘリコプター「CH47」1機が佐久市付近を飛行し、同7時半ごろ戻ったと明らかにした。総監部広報室は「騒音被害がないように飛行した」と説明。13日夜については「飛行計画があると聞いている」、11日夜は「飛行した事実はない」としている。
防衛省航空幕僚監部(東京)は13日夜までの3日間で所属機の飛行はないと説明。在日米軍司令部(同)は「(11、12日夜のごう音に)該当する米軍機はない」とした。
13日夜の問い合わせと苦情は、午後5時半ごろから同7時半ごろまでで、北佐久郡御代田町の男性は「赤いランプを付けた物が浅間山方面を飛んでいた」と証言した。
国土交通省航空局によると、県東部を含む1都8県にまたがる上空は米軍横田基地(東京)が民間機を含めて管制業務を行う「横田空域」に当たる。昨年4月中旬、夜間に同じような問い合わせが佐久市役所などに寄せられていたことが13日判明。防衛省北関東防衛局(さいたま市)は当時、県危機管理部の問い合わせに「米軍機の飛行があった」と説明したという。(長野県、信濃毎日新聞社)
小平選手見守る姉2人、茅野で観戦 「誇り」「たくましく」
「恥ずかしがり屋で控えめ」な末っ子が、日本のエースとして世界に挑んだ。14日未明、ソチ冬季五輪スピードスケート女子1000メートルに臨んだ小平奈緒選手(27)。実家のある茅野市豊平の南大塩公民館では5歳と4歳上の姉2人がレースを見守った。小さいころから五輪を目指してきた妹の強い思いを知る姉たち。期待していたガッツポーズを見ることはできなかったが、2人は「自慢の妹です」と誇らしげに語った。
13日深夜、公民館のパブリック・ビューイング会場に詰め掛けた約100人の応援団に交じり、長女の和田知佳さん(32)=神奈川県鎌倉市=と次女の橋詰真衣さん(30)=愛知県豊川市=の姿があった。
「スケート靴を脱ぐと普通の女の子」。知佳さんは末っ子の素顔をこう話す。小平選手が3歳でスケートを始めた時も、豊平小学校のスケートクラブでも、3姉妹は一緒。真衣さんは「私は寒くて嫌々だったのに、奈緒ちゃんは楽しくてしょうがないという感じでした」と笑う。
真衣さんは、小平選手が小学生のころに書いた「自分年表」を今も覚えている。「冬季五輪のある4年ごとに『五輪出場』と書き続けていた。自分の中に明確な目標があって、それをかなえるためにはどうしたらいいか、ずっと考えてきたんだと思う」
小学校を卒業してスケートをやめた後も、知佳さんと真衣さんは妹が出場する大会や合宿の会場に足を運び、応援してきた。今は2人とも結婚して県外に住むが、実家で妹と顔を合わせると、自然に「仲良し3姉妹」の顔に戻る。
五輪のメダルには今大会も手が届かなかった。だが、真衣さんは「あの大舞台に堂々と立っている妹を見て、すごく誇りに思った」。知佳さんは目を真っ赤にしながら「かっこよかった。たくましくなったと思う」と言葉を絞りだした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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2週連続の大雪警戒 「あずさ」は14本運休
前線を伴った低気圧が進んでいる影響で、県内は14日朝から全域で雪が降った。長野地方気象台は、15日にかけて大雪になるとし、上田、佐久、松本、諏訪、上伊那、木曽、下伊那地域に大雪警報を出した。全域で雪崩、雪による農業施設の損壊などに注意を呼び掛けている。JR東日本は、JR中央東線の松本午後3時19分発新宿行き特急「あずさ24号」以降の新宿―松本間の特急上下全14本を運休。
気象台によると、14日午前11時現在の24時間降雪量は飯田11センチ、菅平、開田高原が9センチ、白馬が6センチ、松本が5センチなど。15日正午までの24時間予想降雪量は、多いところで、佐久、諏訪、上伊那、下伊那各地域で40センチ、乗鞍上高地、聖高原、菅平、木曽で35センチ、大北、長野、中野飯山、松本、上田で30センチ。
15日は発達した低気圧が関東甲信地方に近づく見込みで、平地を中心に雪から雨に変わるところもある見込み。南部は夜、曇りとなるという。
14日午前、鉄道は中央東線と篠ノ井線でも運休、部分運休が出た。
道路関係は、正午現在、北佐久郡軽井沢町を走る有料道路「白糸ハイランドウェイ」が積雪で通行止め。県警高速隊によると、東筑摩郡麻績村の長野道下り線・麻績トンネル近くで午前10時半ごろ、トラック1台と乗用車2台が絡む事故があった。けが人はないが、安曇野―更埴インター間の上下線が事故処理と除雪で一時通行止めになった。県道では、岡谷市の山下町2丁目交差点―岡谷インター西交差点の間で通行止めとなった。
県営松本空港(松本市)発着のフジドリームエアラインズ(FDA)便は14日、雪による視界不良で松本空港発着の4便全てが欠航した。運賃を払い戻している。
気象庁によると、15日朝までの24時間予想降雪量は、山地を中心に多い所で関東甲信と東海50センチ、近畿25センチ、東北の太平洋側と四国20センチ。東北ではその後もさらに増える。東京23区も10センチと予想する。(長野県、信濃毎日新聞社)
乗鞍高原にヤギ・ヒツジの放牧検討 荒れ地の再生目指し
松本市安曇の乗鞍高原にある「一の瀬園地」に草木が茂って荒廃したため、地元・大野川区などが来年度からヤギやヒツジを放牧して再生することを検討している。同園地は中部山岳国立公園の一角にあり、乗鞍岳(3026メートル)を背景にした牧歌的な風景を取り戻す試みだ。
一の瀬園地の広さは約40ヘクタールで、大半を所有する大野川区が数年前まで牧場を経営していた。経営難などを理由に数年前に閉鎖すると植物が生い茂り、観光客に人気があった乗鞍岳の眺めも損なわれたという。
人手による伐採では再生、維持ができないとして、2011年に同区や市、観光関係者らで発足した「乗鞍高原再生計画実施検討会議」がアイデアを練っていた。
検討会議の計画では、敷地内4ヘクタールを柵で囲んでヤギやヒツジを放牧し、草や木々の若芽を食べさせる。松本市は、16年度までかけて放牧などによる環境への影響を調査する予定。市の来年度当初予算案には約200万円を計上した。
一の瀬園地は標高約1500メートルで雪が多く、冬季の動物の管理方法や人手の確保などが課題という。
大野川区長の奥原満登さん(67)は、「景観を取り戻すだけではなく、ヤギなどを観光資源にする仕組みも考え、観光の盛り上げにつなげたい」と期待。市山岳観光課は「観光名所である草地や景観が戻れば新たな再生モデルとなる」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
浅間山麓一帯をジオパークに 長野・群馬の6市町村が勉強会
浅間山(2568メートル)を取り巻く長野、群馬両県の市町村で、学術的に貴重な地形や地質が見られる自然公園「ジオパーク」への加盟を目指す取り組みが始まっている。群馬県嬬恋村が中心となり、昨夏から東御市や小諸市など長野県4市町に呼び掛けて勉強会を重ねてきた。山麓一帯としての加盟に向け、来年度にも山麓市町村による推進協議会の発足を目指す。
嬬恋村総合政策課によると、協議会の参加自治体は同村と両市のほか、北佐久郡軽井沢町、御代田町、群馬県長野原町の計6市町村を想定する。嬬恋村は今月、担当職員の準備委員会を発足。推進協設立に向けて関係市町村などと調整する。
嬬恋村は、早ければ数年内の加盟を目指したいとする。長野県4市町の観光担当者は、いずれも「ジオパークの利点を含め、まだ勉強している段階」とし、推進協をつくって加盟を目指す方針については「嬬恋村から正式に要請があれば参加を検討する」としている。
浅間山は1783(天明3)年の大噴火で群馬県側に火砕流が発生し、大きな被害が出た。溶岩流の跡が残る鬼押出(おにおしだ)し(嬬恋村)、山の地下水が湧き出す白糸の滝(軽井沢町)などの観光地がある。軽井沢町の「峰の茶屋」、小諸市高峰高原の車坂峠と天狗(てんぐ)温泉浅間山荘前からの3カ所が主な登山口だ。
日本火山学会元会長の藤井敏嗣(としつぐ)東大名誉教授は「浅間山は溶岩流や火砕流の跡が広い範囲に残り、観察できる学術的に貴重な火山。ジオパークとしては十分な資産を持っている」と話している。
東御市の峯村文博観光協会長は「浅間山麓の偉大な自然が世間に再認識されれば観光面でも有益だ。実現に向けて民間でも機運を盛り上げたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
まっくんと祝う「南箕輪村の日」 村のキャラが小中学校の献立に
転入者が増え、昨年9月に人口1万5千人を超えた上伊那郡南箕輪村は18日、昨年6月に定めた「南箕輪村の日」を初めて迎えた。これを記念し、村の小中学校などでは給食に村内産の食材を使った献立が並び、村のイメージキャラクターでアカマツの妖精という「まっくん」を模した料理も登場。南部小学校にはまっくんの着ぐるみが現れ、児童を喜ばせた。
献立は村内で取れたイチゴ、村内産野菜のスープ、「まっくん蒸し」など。まっくん蒸しは、肉団子にまっくんの体の色と同じトウモロコシをまぶし、アズキで目を、チンゲンサイで脚を表現した。
南部小では、訪れた村職員が「まっくん(の姿)は何をイメージしているか」と問い掛けると、見た目で「トウモロコシ」と答える児童も。職員は「まっくんはアカマツの妖精で、松ぼっくりをイメージしているんだよ」と正解を説明していた。2年の福沢佳怜さん(8)は「まっくんはかわいいし、好き。食べてもおいしかった」と話していた。
南箕輪村は、1875(明治8)年2月18日に6村の合併で発足して以来、一度も合併や分村をしていない。発足時の人口は2333人だった。厚生労働省が昨年発表した推計では、県内77市町村で唯一、2040年の人口が現在より増えるとされた。
増加する村民に村の歴史を知り、村民としての意識も持ってほしいと、村は昨年6月に村の日を定める条例を施行した。(長野県、信濃毎日新聞社)
竹内選手「銅」沸く飯山 出身者の初メダルで市役所に懸垂幕
飯山市は18日、ソチ冬季五輪ノルディックスキー・ジャンプ男子団体で同市出身の竹内択選手(26)=北野建設=が日本チームの一員として銅メダルを獲得したことを祝う懸垂幕を市役所に掲げた。飯山市出身の五輪メダリストは竹内選手が初めて。市や市民でつくる後援会は、竹内選手の祝勝会などを検討している。
懸垂幕は幅1・2メートル、長さ10メートルほど。同日未明のメダル獲得後に市役所屋上からつるした。飯山市によると、市出身の五輪選手は竹内選手で5人目。同選手の後援会長を務める足立正則市長は「市内でもジャンプ競技をする中学生が増えてきた。竹内選手の活躍は大きな刺激になる」と話していた。
竹内選手が所属する北野建設も18日午後、長野市県町の本社ビルに銅メダルを祝う懸垂幕を掲げた。12日にノルディック複合個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した同社所属の渡部暁斗選手(25)=北安曇郡白馬村出身=の懸垂幕と並べられ、社員は誇らしげに掲揚を見守っていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
豪雪・富士見に救援お返し 姉妹町の静岡・西伊豆から職員
諏訪郡富士見町に18日、姉妹町の静岡県西伊豆町から救援が入った。町職員17人が保存食400食やカップ麺、毛布などの救援物資を届け、除雪を手伝った。両町は災害時の相互応援協定を結んでいる。昨年7月、集中豪雨で土砂災害などがあった西伊豆町に富士見町職員が出向き、復旧を手伝っていた。
西伊豆町の藤井武彦町長と20~50代の町職員16人が訪れた。19日まで、子育て支援施設に続く道路や下水道施設の周辺などの雪をかく。20、21日は第2陣の15人が訪れる。
西伊豆町は15日、富士見町側に、応援に行く旨を連絡したが、雪で立ち往生する車が相次いで各地で高速道や国道が通行止めになり、出発できなかった。中央道が一部開通したため、17日夕方に出発したという。
西伊豆町職員の高木久尚さん(57)は「夏のお返しもあり、なるべく早く来たいと待機していた。海の町なので雪かきになれていないが、体力で貢献したい」。富士見町の小林一彦町長は「雪かきが必要な、まだ手付かずのところに入ってもらった。助かる」と感謝していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
根羽の国天然記念物「大杉」の枝折れる 長さ5メートルなど多数
下伊那郡根羽村平地区にある国天然記念物「月瀬(つきぜ)の大杉」の枝が大雪の影響で折れていたことが18日、分かった。村総務課によると、折れた枝は多数あり、大きな2本は直径60~80センチ、長さ4~5メートルに及ぶ。台風や雨で枝が落ちたことはあるが、これだけの被害は経験がないという。
村総務課によると、15日午前に近くの住民から、折れた枝が大杉の脇を通る村道をふさいでいる―と、村役場に連絡があった。大きな枝は幹の高さ5、8、20メートル付近から落ちた。大杉は近くの月瀬神社の御神木でもあることから、落ちた枝の扱いは同神社などが決めるという。
村教育委員会は17日、県教委文化財・生涯学習課に状況を報告した。村教委は「国や県などと相談して今後の対応を検討したい」としている。
村教委によると、月瀬の大杉は推定樹齢1800年余で、高さ約40メートル、幹回りは約14メートルある。県内有数の巨木として知られ、1944(昭和19)年に国天然記念物に指定された。(長野県、信濃毎日新聞社)
佐久で孤立の7人をヘリ救助 県、食料や灯油の残量で判断
豪雪による県道下仁田臼田線の通行止めで孤立状態にあった佐久市広川原地区の住民ら7人が18日、県消防防災ヘリで救助された。同じく群馬県境周辺にある馬坂、丸山の2地区には、当面の食料や灯油があるなどとして9世帯13人が残っている。市は、今後も除雪が遅れる場合、再び防災ヘリの出動を要請し、物資を集落に空輸する。
孤立状態になったのは馬坂、広川原、丸山の3地区の計13世帯17人。救助されたのは、広川原の3人と丸山の1人で80~70代の男女4人のほか、県道の除雪作業後に所在不明になり、広川原地区に自力でたどり着いた市内の建設会社の男性社員3人。市が、電話で住民に食料や灯油の残量を聞き取り、7人については救助が必要だと判断した。
救助された市川正彦さん(70)は「道路のあちこちで雪崩が起きて、雪の山がいくつもあった。どこが道なのか分からなかった」。小金沢しめさん(88)は「これ以上雪が降り続いたら家がつぶされてしまうという心配が強かった」と振り返った。
一帯では15日朝から16日夕にかけて停電が続いた。小金沢ひろ子さん(78)は「暗くなったら寝る生活。(電気毛布の代わりに)一升瓶にお湯を入れて抱いて寝た。テレビが映らなかったので情報が入らず寂しかった」と話した。
市によると、広川原地区に16日に身を寄せた建設会社の社員3人が、雪に埋もれた3世帯の家の雪かきをしておいたことで、スムーズな救助につながったという。3人のうちの1人、神野仁さん(52)は救助後の取材に「ほっとしました」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
暁斗選手、よく頑張った 所属先の社員ら健闘たたえる
渡部暁斗選手が所属する北野建設の社員ら約250人は18日夜、長野市西後町の北野文芸座に集まり、大型スクリーンに映し出される渡部選手に声援を送った。社員らは「よく頑張った」と万歳をして健闘をたたえた。
仕事を終えた社員らは、そろいの法被に「必勝」の鉢巻き姿で応援。笛と和太鼓の音頭に合わせ「あきと、あきと」と大声で名前を繰り返した。終盤まで先頭集団で競り合ったクロスカントリーでは、立ち上がって「頑張れ」「来い、暁斗」と絶叫した。
北野建設スキー部のフィジカル・コンディショニングコーチ梅本稔さん(54)は「途中転倒したのに、よく持ち直して6位入賞した。団体戦も期待したい」。同社経理部の田中沙夜香さん(28)は「世界のトップ選手の中で、粘り強さを見せ頑張る姿に、とても元気をもらった」と笑顔で話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
「私たちも五輪選手に」 渡部兄弟の奮闘、後輩に夢
「私たちも五輪選手になりたい」―。18日夜、ソチ五輪ノルディックスキー複合の渡部暁斗(わたべあきと)選手(25)=北野建設=は個人ラージヒルの後半距離で転倒しながらも6位入賞。地元の北安曇郡白馬村役場多目的ホールの特設応援会場では、村の小学生で唯一ジャンプ競技に取り組む女の子3人も応援。暁斗選手が1998年の長野五輪を機に小学生から世界を目指したように、次世代を担う3人も暁斗選手から五輪の夢をもらっていた。
3人は暁斗選手と、弟の善斗(よしと)選手(22)=早大=の母校白馬北小4年の宮嶋林湖(りんご)さん(10)、松沢幸さん(10)、笹川笑子さん(9)。それぞれジャンプ選手の兄姉の影響などで、1、2年生から競技を始めた。3人とも、風に乗った時がすごく気持ちいい―と、ジャンプが大好きだ。今年1月には暁斗選手が練習を見に訪れ、「僕が小学生のころよりうまい」と声を掛けてくれたという。松沢さんは「本当に強そうだった」とうれしそうに話す。
ただ、暁斗選手は小学生の頃から活躍していたわけではない。同小4年から6年まで担任だった中山実教諭(58)=大町市美麻中=によると、当時の暁斗選手は「身長がクラスでも低い方で、特段に上手ではなかった」。なかなか大会で勝てず、小5には「優勝したい」と題した作文で「さらに努力をして、がんばって、練習をして、それで、やっと優勝できる」と書いた。
村スキークラブによると、今季ジャンプに取り組む小学生が3人というのは近年で最も少ない。少子化や経費の負担などでスキー競技をする子どもは減少傾向だ。それだけに、「渡部兄弟の活躍で競技を始める子どもが増えてほしい」と多くのスキー関係者が期待する。
18日の応援会場には村民ら約160人が集まり、3人も「頑張れ」と日の丸を手に大きな声援を送った。前半から上位10人の混戦となり、最後の1周、暁斗選手が転倒すると会場から悲鳴が上がった。それでも先頭集団に食らい付く姿に「暁斗」コールが巻き起こった。善斗選手は35位だった。
試合後、笹川さんは「メダルを取れずに残念。でも最後まで諦めないところが格好良かった」。宮嶋さんは「善斗選手から元気をもらった」と興奮した様子。3人は「暁斗選手のように夢に向かって練習して、五輪で金メダルを取りたい」と目を輝かせた。(長野県、信濃毎日新聞社)
豪雪被害、県内農業施設3600棟損壊 交通網は復旧進む
14日からの豪雪で損壊した県内のパイプハウスなどの農業生産施設が、上田市や上伊那郡中川村など58市町村で3634棟に上ったことが18日、県農政部のまとめで分かった。被害報告がない市町村もあり、規模はさらに膨らむ見通しだ。
県農政部によると、ハウス内の野菜や花き、果樹の作物被害も確認されたほか、積雪のため生乳の収集ができず一部の生乳は廃棄された。10広域圏別の農業生産施設の被害は、佐久が1323棟と最多で、諏訪629棟、上小546棟と続いた。市町村別の最多は上田市の366棟。
鉄道では、JR中央東線の特急あずさ、スーパーあずさが終日運休した。JR東日本によると、運転再開の見通しは立っていない。18日朝から運転を再開した飯田線に乱れはなかった。長野新幹線もほぼ通常運行した。しなの鉄道は一部列車が小諸―軽井沢間で運休、部分運休した。高速道路では、上信越道坂城―佐久インター間が18日午後11時現在で通行止め。
16日から北佐久郡の軽井沢町、御代田町で、17日から佐久市で除雪や救援に当たっていた陸上自衛隊松本駐屯地(松本市)所属部隊は18日、全ての活動を終了。軽井沢町と御代田町は同日、国道18号で立ち往生していた車の運転手らを受け入れていた避難所を閉鎖した。
一方、アルピコ交通(松本市)は19日の松本―新宿間の高速バスについて、山梨県内の国道で除雪が間に合わず、高速道路の迂回(うかい)路が確保できないとして、松本発午前4時20分~午後0時20分の計14便、新宿発午前6時、午後3時50分~午後7時50分の計10本の運休を決めた。
佐久市と下伊那郡天龍村では孤立世帯がある。(長野県、信濃毎日新聞社)
長引くあずさの運休、除雪機関車脱線が原因 JR公表せず
JR中央東線小淵沢駅構内(山梨県北杜市)で16日、大雪を取り除く作業をしていた車両が脱線し、茅野―小淵沢間で列車が運行できない原因になっていることが18日、分かった。車両は除雪用のラッセル車ではなく、貨物列車をけん引する機関車で、JR東日本によると、14日以降の沿線全域の大雪に対応するラッセル車が足りなかったため使用した。同社は脱線の事実を公表していない。
JR東日本八王子支社(東京)によると、脱線は16日午後2時半ごろに発生。ラッセル車の代わりに比較的重量のある機関車を甲府―小淵沢間の除雪に利用した。小淵沢駅構内の下り列車用の線路で1メートルほどの積雪に乗り上げ、前の2軸が脱線した。18日夜も動かせないままになっている。
同支社によると、機関車を使った除雪は異例で、「緊急事態に対処するために使った」と説明。機関車を使った除雪は線路上から雪を押し出す方式で、車両前方の雪を押しのけて飛ばすラッセル車のような設備はない。雪で動けなくなった場合は人力で雪をかき、再び進行させる作業を繰り返していたという。今回の大雪では、甲府―塩山(山梨県甲州市)間、大月―初狩(いずれも山梨県大月市)間でも別の機関車で同じ作業をした。
JR東日本は16日、国土交通省に脱線を報告。JRの担当者は18日も現場を調査し、復旧作業の進め方や必要な機材などを検討した。八王子支社は、復旧の見通しは「まだ分からない」と説明している。
今回の復旧の遅れについては、脱線のほか、小淵沢より東京方面の除雪を優先したことも、小淵沢より長野県側の除雪が遅れている一因としている。
14日夕に新宿を出発した松本行き下り特急あずさ21号など14本が最長で18日まで山梨県内などの区間で足止めとなったが、JR東日本側が、あずさの乗客らに説明したのは17日夕になってからだった。脱線を公表しなかった理由について「他の除雪車両にも、倒れた木に接触するといった事案が多くあったため」としている。
あずさ21号は15日未明から石和温泉駅(山梨県笛吹市)に停車。乗客らは車内や近くのホテルで運行再開に向けて待機した。乗客によると、復旧見通しについてほとんど説明がないため、17日夕に駅側に説明を求めたところ、脱線について初めて説明したという。乗客らは18日にJR側が用意したバスで松本市や都内などに向かうなどした。
乗車していた県内の会社員は「きちんとした説明がないまま長時間待たされ続けた。仕事をキャンセルした人もいる。脱線と分かれば復旧に時間が掛かるのは想像でき、私たちもそれなりの対応ができたはずだ。なぜ、伏せたのか理解できない」と話す。八王子支社は「乗客の皆さんにはきちんと説明しきれずに申し訳ない」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)