松本大(松本市)は21日、県短大(長野市)の四年制化による新設県立大学の基本構想作りについて、中信選出の県議と同大で懇談した。県が基本構想素案の見直しで管理栄養士や栄養教諭などの養成課程設置が可能か検討していることに対し、同様の課程を持つ松本大側は競合を懸念して反対を主張。多くの県議が理解を示し、それぞれ県側に松本大など県内私立大との対話を求める方向となった。
中信選出計14人のうち12人が出席。内訳は県会最大会派自民党(20人)の4人全員、第2会派改革・新風(14人)の4人のうち3人、第3会派県民クラブ・公明(8人)の5人全員。共産党(6人)の1人は欠席した。
松本大を運営する学校法人松商学園の藤原一二(いちじ)理事長は「少子化の波が押し寄せている。(運営の)全てがうまくいく状態ではない」とあいさつ。県議側を代表し萩原清氏(自民党、松本市)が「(県立大と私立大が)切磋琢磨(せっさたくま)しながらより良い方向に行けるような形がとれるのが理想」と述べた。
懇談は冒頭以外非公開。住吉広行学長によると、松本大側は四年制化には反対しないとする一方、管理栄養士の県内就職口は「飽和状態」にあり、養成課程設置には多額の費用、経費がかかる―などと指摘した。四年制化の方向性をしっかり議論するため、県内私立大の代表者も交えた議論の枠組み作りを求めた。
県会の県短大の4年制化に向けた懇談会(12人)の委員の1人、望月雄内氏(自民党、安曇野市)は「見切り発車しても禍根を残すだけ。良い悪いではなく、みんなで話し合うことが必要で、県側にそれを求めていく」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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松本大と県議が懇談 県短大の四年制化構想
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