南佐久郡の佐久穂町と小海町、茅野市にまたがる北八ケ岳一帯に自生しているコケの魅力を紹介している「北八ケ岳苔(こけ)の会」は、一帯のコケの中で代表的な68種を載せた「北八ケ岳コケ図鑑」=写真=を作った。1種につき写真を3枚使うなど種類を判別しやすいよう工夫。非売品で、同会が5月から開くコケ観察会の参加者に配る。 「ポケットに入れやすいように」とB6判。71ページで全てカラー印刷した。「樹幹」「倒木」など5種類の生育場所ごとに紹介している。1種につき、繁殖しているそのままの状態、ルーペで見る個体、実物大の3種類の写真を掲載。日本蘚苔(せんたい)類学会前会長で苔の会顧問の樋口正信さん=茨城県つくば市=を中心に、昨年4月から月数回写真を撮影してきた。 それぞれの種の特徴、見分ける方法、一帯でコケが多く繁殖する場所を記した地図も掲載。同会の山浦清会長(59)=佐久穂町=は「コケは観察の仕方によって見え方がまるで違う。写真を多用して理解を深めてほしい」と話す。 県の地域発元気づくり支援金を使い2千冊製作した。5月26日に行う「苔の森開き」などで観察会を計画しており、図鑑は参加者に配布する予定だ。 また、計400冊を3市町に寄贈。22日に受け取った佐久穂町は「小中学校などで教材として使ってもらう」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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