北安曇郡池田町の勝山隆之町長が町防災無線デジタル化工事の請負業者選定後に選定やり直しなどを指示した問題で、同町議会(定数12)は23日、臨時会を開き、議員提案の地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委)設置議案を賛成多数で可決した。百条委は強い権限を持ち、証言や出頭の拒否、偽証に罰則がある。甕聖章(もたいきよあき)議長を除く全11人の議員で構成し、2月から調査に入る。 百条委は、勝山町長が町の業者選定の実施公表前に米国系企業体に工事内容などを通知したり、町審査会がこの企業体を含む3社から別企業を選定した後、米国系企業体の提案が優れているとして選定やり直しを指示したりした経緯や問題点を調べる。 勝山町長は臨時会冒頭、「(企業からの)利益供与などは名誉にかけてない。町民益にこだわった」とし、「一部事務手続きに認識不足があり、あらためておわびする」と述べた。 討論では「百条委である必要があるのか」「不明点が多く、百条委がふさわしい」と賛否があり、採決の結果、賛成9で可決された。 副委員長に就いた立野泰(ゆたか)町議は取材に「事業者の証言などを求めるには強い調査権が必要。6月をめどに結果をまとめ、町民に報告したい」と語った。 議案提出に賛同する署名に名を連ねていた10人のうち1人は23日までに「いきなり百条委にするのは性急」として取り下げた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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