中野市笠原の元中学校教諭、池田憲一郎さん(65)が自宅の古民家を改修し15日、組み木のおもちゃのデザイナー小黒三郎さん(76)=岡山県倉敷市=の作品を集めた展示館「小黒三郎組み木館 ズートピア信州」をオープンさせる。隣には作品作りを体験できる工房も整備。小黒さんの長年のファンで、自らも組み木作りに取り組む池田さんの夢が実現する。 自宅は築約200年。15~8畳の4部屋を展示室にして大小の作品約500点を飾る。犬や猫、象、豚などの動物をかたどったものが多く、親子など複数の作品がパズルのように組み合わさっているのが特徴だ。木に色付けして壁掛けにした組み木絵、五月人形なども並べる。 池田さんが小黒さんを知ったのは30年余り前。特別支援学校に勤めていた時、障害のある子どもが楽しめるおもちゃを探す中で、小黒さんの作品を紹介した本と出合った。 以来、池田さんは自分でも組み木を作り始め「1枚の板からさまざまな作品が生まれる楽しさ」に魅了された。担任になった子ども一人一人の入学記念に作品を贈ったり、授業で作品を作ったりしてきた。展示館開設は、小黒さんが約20年前に松本市で個展を開いた際、池田さんが会場を訪れて約束したという。 車庫を改修した工房は10台余の電動糸のこぎり機を備え、組み木作り体験ができる。敷地は約千坪と広く、雑木林や竹林を通る遊歩道を設けた。池田さんが作った組み木約100点を所々に置き、散策しながら楽しめる。 「親子で見るのもいいし、子どもや孫に作品を作ってあげるのも楽しいと思う」と池田さん。展示館での演奏会なども計画しており「地域の文化振興に役立てばうれしい」と話している。 開館は金、土、日曜午前10時~午後4時。入館料は大人200円、小中学生100円(15、16両日は無料)。制作体験は材料費も必要。16日は小黒さんが指導する。問い合わせは同展示館(電話0269・22・6922)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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