長野中央署と県警生活環境課は12日、中国から輸入した合板に、日本農林規格(JAS)の格付け表示「JASマーク」に似せた偽造スタンプを押したとして、JAS法違反(格付けの表示の禁止)の疑いで、長野市上松、建設業「ファインテック」(長野市)社長の伊藤豊容疑者(62)を逮捕した。 逮捕容疑は、昨年6月上旬、同市内の同社倉庫で、中国から輸入したJAS規格に不適合の合板1890枚に、JASマークを模したゴム製スタンプを従業員に押させた疑い。同署によると、容疑を認めているという。 同署などによると、合板はいずれも長さ1・8メートル、幅0・9メートル、厚さ1・2センチで、右下に青い偽造スタンプが押してあった。スタンプは、伊藤容疑者が長野市内の印鑑などの製造会社に発注して偽造。合板は販売されていないという。4月に関係者の内部告発があり発覚。同署などが8月21日に同社などをJAS法違反容疑で家宅捜索していた。 JAS法は、格付けの表示と紛らわしい表示をすることを禁じている。 伊藤容疑者は家宅捜索後、取材に対し「東日本大震災の影響で合板の需要が高まったので、4400枚を中国企業から購入したが、JASマークがなかった。購入元が規格を通っていると言うのでゴム判を作って押した。法律の知識がなく安易にやってしまった」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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