Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

松本盆地に大規模断層か 牛伏寺断層、11年地震の活断層と別に

$
0
0

 松本盆地の地下に、既に知られている牛伏寺断層や2011年6月に最大震度5強の地震を起こした活断層とは別に、より規模の大きな断層(主断層)がある可能性が高いことが30日、信大研究者らでつくる「信大震動調査グループ」と松本市危機管理部の調査で分かった。松本盆地には砂利などの「砂れき層」が厚く堆積し、その下にどんな断層があるかは分かっていなかった。同グループは来年度、断層の位置などを追加調査し、地震対策に役立てる計画だ。  調査は、地表に常に伝わっていて震源を特定できない微小震動(微動)を高感度地震計で観測し、地下構造を調べる手法「微動アレイ探査」を採用。11年6月の地震の原因とされる長さ4~5キロの活断層を挟み、東西に四つの調査地点((1)寿北(2)平田西(3)野溝西(4)笹賀)を設定し、昨年12月に各地点で計測=イラスト。地下構造を推定した。  その結果、軟弱な「砂れき層」と固い岩盤「基盤岩」の境界の深さが、調査地点(1)で約300メートル、(2)で524メートルと差があることが判明。一方、最大震度5強の地震の原因とされる活断層を挟む(3)は422メートル、(4)は500メートルで、差はそれほど大きくなかった。  この結果から、(1)、(2)間に牛伏寺断層や最大震度5強の地震の原因とされる活断層とは別に、「最大規模の(主)断層がある可能性が高い」と結論付けた。牛伏寺断層と最大震度5強の地震の原因とされる活断層は、主断層が動いてできた「副断層」とみている。  同グループの原山智・理学部教授(地質学)は「ここまできれいに地下構造が出るとは思わなかった。微動アレイ探査は有効」と評価。断層の位置が分かれば、ボーリング調査で断層の活動状況も分かるとし、「追加調査で正確な場所を明らかにしたい」と話している。  従来、松本盆地の地下には糸魚川―静岡構造線活断層帯の一部である「松本盆地東縁断層」があると考えられてきたが、厚い砂れき層に阻まれて詳細は不明だった。同グループは今後、今回の主断層が松本盆地東縁断層につながるかどうかも調べる。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>