スポーツ指導者の体罰が問題化していることを受け、県内の中学、高校の体育連盟などが「体罰根絶」の徹底を図る動きを強めている。北信地方の中学教諭による体罰が明らかになったバレーボールの競技関係者らは、再発防止に向け中学顧問を対象にした会合を計画したり、県協会が「緊急連絡」と題した文書をホームページに掲載したりするなど危機感を募らせている。 県中体連は31日、「全ての非違(ひい)行為の排除」「科学・合理的な指導の学習と発信」などをうたった通知を作成。本年度当初や昨秋の大会の際にも通知を出したが、大阪市立桜宮高のバスケットボール部主将自殺を受けた日本中体連の通知と合わせ、あらためて県内各校に送った。事務局は「県内で体罰が起きたことは誠に残念。体罰は認めていないし、これからも根絶に向けた動きを進める」とする。 県中体連バレーボール専門部は各校の顧問を集めた会合を2月中に各地区ごとに開く。「体罰について今までもお願いしているが、その甘さを反省し、健全な運営をお願いする」(同専門部)とし、意見交換もする。精神論に偏らない指導を目指す狙いもあり、今春から年10回程度の技術講習会の開催も計画した。 県バレーボール協会は1月29日付の文書で「過去にも体罰厳禁を図った経緯があり、その中での再発で苦衷(くちゅう)この上ない」とし、「倫理委員会などの設置」を検討する考えも示している。 県高体連は、県教委、県高野連とともに昨年12月、「体罰根絶」をテーマにした指導者研修会を実施。全国高体連からの通知も各競技専門部に伝えた。県高体連バレーボール専門部は、単独で作成した通知を順次配布している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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