上田市鹿教湯(かけゆ)温泉の県厚生連鹿教湯三才山(みさやま)リハビリテーションセンター三才山病院は31日、入院患者12人と職員16人がインフルエンザA型に感染し、うち脳血管疾患で入院中の90代と80代の女性2人が死亡したと発表した。他の患者は治療中で、一部は快方に向かっている。感染経路は分かっていない。黒岩靖院長は「亡くなった方に大変申し訳ない。これまで感染対策には万全を期してきたので遺憾だ」としている。 同病院によると、1月21日に高熱の症状を訴える患者が出始めた。90代女性は22日、80代女性は28日に死亡。ともに脳血管疾患の後遺症とインフルエンザによる免疫力の低下が死亡につながったとみられるという。発症した患者、職員は全員が予防接種を受けていた。同病院は感染が発覚する前から玄関にアルコール消毒液やマスクを置くなど予防を心掛けていたという。 病院は同月28日から入院患者全員を対象に、家族らの面会時間を制限。インフルエンザに感染した患者の病室を移し、感染していない入院患者に近づけないようにした。今後は早めの検査や、疑わしい症状の患者にも治療薬を投与するといった対応をする方針。県上田保健所は29日、病院に立ち入り調査し、感染状況を確認した。 県は30日、87医療機関から27日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者数が基準の1医療機関当たり30人を超えたとして「インフルエンザ警報」を県全域に出したばかり。11保健所別の同患者数は上田保健所管内が78・63人で最多。県健康長寿課によると、今季は小児以外の幅広い年齢層に感染が広がっており、注意を呼び掛けている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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