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上田市浦里小火災から1週間 トイレと渡り廊下を重点捜査

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 上田市浦野の浦里小学校で5日深夜に校舎など5棟を全焼した火災は、12日で発生から1週間。連日、現場で実況見分を続けている上田署と上田広域消防本部は、全焼した北校舎と旧管理棟(旧校舎)の東端一帯に出火場所を絞り、特にトイレと渡り廊下付近を重点的に調べている。出火原因を特定する物は見つかっておらず、現場は普段火の気がないことなどから、同署などは放火の可能性も含めて引き続き調べを進める。  火災の119番通報があったのは5日午後10時すぎ。火は一気に燃え広がり、木造2階建ての北校舎と旧管理棟(旧校舎)、木造平屋のトイレ、給食用倉庫、休養室を全焼し、給食室を半焼した。焼失した延べ床面積は計約2400平方メートル。  出火時に119番通報した人は複数おり、早めに気付いた近所の人たちからは、火の出方についてさまざまな目撃証言が出ている。第1通報者の男性(49)は校舎北側の自宅にいて「トイレ付近から火が出ている」と通報。取材に対しては「木の下側が燃え、しばらくして火柱が上がった」と話した。この木はヒマラヤスギで、全焼したトイレの南東の端の近くにあり、幹のトイレ側の半分や枝が焼けている。  他の目撃者は「トイレから火が出ていた」「渡り廊下の辺りから北校舎と旧管理棟へ燃えていった」「北校舎から旧管理棟へ燃え広がった」などと証言。上田署などは燃え広がり方などから、出火場所はトイレや渡り廊下か、その周辺とみている。  トイレは瓦屋根で南北に長い。男女共用で、同署などによると東側は七つの個室、西側は男子用の壁がある。南側と北側にそれぞれ二つのドアがあり、夜はともにチェーン式の鍵を掛けている。渡り廊下は木造でトタン屋根。トイレとの間に通路があるほか、旧管理棟に近い方に東西に横切れる通路があり、夜間でも渡り廊下などの通行は可能だ。  同校によると、火災があった5日は水曜日だったが、教員の研修会が校外であったため休校。研修会後に数人の教員が戻り、職員室がある南校舎などで仕事をし、最後に残っていた教頭が午後8時50分ごろに帰宅する時は、異常は確認していないという。  同校では7月27日から西側の体育館で耐震工事中。工事関係者によると、5日は午前8時から午後6時半ごろまで数人が作業。普段、トイレも専用の簡易施設を使っており、工事に関係のない場所には立ち入らないという。  上田署などによると、実況見分でトイレの鍵は二つとも施錠された状態で見つかった。このため同日は昼間もトイレに入れなかったとみられる。トイレ、渡り廊下と北校舎の境の両出入り口、渡り廊下と旧管理棟の境の出入り口の鍵も掛かっていたとみられるが、いずれも燃え方がひどく、確認されていない。たばこの吸い殻なども確認は難しい状況。ガソリンや灯油の石油類が現場にあったかどうかは分析中だ。  4日夜にも800メートルほど離れた物置を全焼する火災があったものの、原因は不明。同校近くの住民女性(68)は「不安で夜も眠れない」と話す。実況見分はさらに数日続く見通しだ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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