松本市の市立中学校で今月4日、1年生の社会科の中間テスト中に試験監督の男性教諭が一部の生徒の答案を指さして「漢字、確かめて」などと声を掛け、後日、声を掛けられた生徒側の抗議を受けた学校側が謝罪していたことが10日、分かった。市教委の調査に、教諭は「解答が間違っていたので指摘してしまった」と話しているという。同校は「不公正、不適切な言動だった」としている。 市教委などによると、教諭は巡回しながら「浄土信仰」「法隆寺」「平等院鳳凰堂」「冠位十二階」の用語を答えさせる4問について、6人に1問ずつ解答の確認を促したという。促されて書き直したら不正解になった―とする生徒の保護者の抗議で学校が調査し、6人に確認を促していたことが分かった。 報告を受けた市教委は、県教委に報告するとともに、学校を調査。教諭は「テストを平等でなくしてしまい申し訳ない」と反省しているという。市教委によると、教諭は英語の担当で教員歴約30年。 同校は9日に1年生全員を集めて校長と教諭がそれぞれ謝罪し、保護者宛ての文書も配布した。社会科のテストはこの4問(計8点)を外して採点した。校長は「二度とこのようなことがないよう指導する」と話している。 同市では7月に、別の市立中学校で男性教諭がテストの不正解の解答を正答に書き換え、生徒に返していたことが判明している。同市の吉江厚教育長は「テストを公平、厳正に行うよう指導している最中の出来事で遺憾だ」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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