NTT東日本長野支店(長野市)は10日、北アルプス・上高地(松本市安曇)に災害などで電話が不通になった時に備えて設置した「孤立防止用衛星通信装置」の運用を始めた。昨年6月の土石流災害で、上高地に通じる道路とともに通信ケーブルも寸断され、観光客らが孤立したのを受けて整備。安否確認などに無料で使える。 通常の電話が通じない場合、環境省の上高地インフォメーションセンターに同装置の電話機を設置。同社上高地局舎の受信用パラボラアンテナから、衛星経由で通信する。停電時も約100時間使える。 この日は開通記念イベントがあり、上高地町会長の青柳薫さん(69)が松本市役所の牧垣寿志(ひさし)・市危機管理部長と通話。青柳さんは「(昨年の災害では)外部への現状報告がすぐにできず、切ない思いをした。これで安心してお客さまを迎えることができる」とあいさつした。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧