諏訪郡下諏訪町の下諏訪商工会議所は、同郡原村の日本電産サンキョーオルゴール、諏訪地方の木工職人2人と協力し、予約限定の高級木製オルゴールを2種類作った。価格は、音色の良さを追求したシリンダー(円筒)式が100万円、若者向けの外観にした時計付きのディスク式が20万円。21日、同商議所で開いた記者会見で発表した。 円筒式は幅45センチ、高さ23センチ、奥行き26センチ。同町で木製スピーカー工房を営む山本祐二朗さん(37)がバイオリンに使われるカエデなど音響の良い木材で作った。「柔らかな音色」が特徴という。 ディスク式は幅24センチ、高さ52センチ、奥行き13センチ。岡谷市の家具職人、花岡正太郎さん(27)が木目の細かいミズナラを使い、すっきりしたデザインに仕上げた。文字盤を回転させて横に置くこともでき、1時間ごとに音が鳴る。 オルゴールの機械はサンキョー製。木の材料をえりすぐり、繊細な作業が必要なため、円筒式は受注から発送まで約半年、ディスク式は約3カ月かかる。円筒式は限定5人まで予約を受け付ける。 同商議所は、地域の伝統的産業で、世界的な生産拠点だった歴史があるオルゴールの魅力を発信しようと、2008年度から地元企業などと新製品の開発に取り組んでいる。担当者は「世界に一つしかない製品を作り、諏訪の技術を広めたい」と話していた。問い合わせは同商議所(電話0266・27・8533)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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