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公務員の退職手当債圧縮 駒ヶ根市、支給下げて対応

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 本年度、地方公務員の退職手当(退職金)の支給不足分を補うため全国の37道府県と9政令市、69市町村が発行予定の「退職手当債」(借金)の発行可能額が、1月からの国家公務員の退職手当引き下げに伴い、本年度当初見込みの総額3700億円より100億~200億円圧縮される見通しであることが21日、信濃毎日新聞の取材で分かった。本年度内に手当を引き下げないと、圧縮されて発行できない分は各自治体の負担となるため、駒ケ根市などが年度内の引き下げを決定。「駆け込み退職」防止で来年度に先送りする自治体もあり、全国で対応は割れている。  各自治体の退職手当債の発行可能額は、国家公務員の退職手当水準で自治体の退職手当を計算するなどして決める。総務省などによると、国は国家公務員の退職手当を1人当たり平均で約140万円引き下げたため、引き下げ前の発行可能額とは差額が生じ、圧縮される。  国は民間との格差是正のため1月、10月、来年7月の3段階で国家公務員の退職手当を引き下げ、地方側も準じるよう通知。年度途中の定年退職が一般的でない地方側のうち、借金に依存する全国の自治体が対応を迫られている格好だ。同省は「引き下げ時期は地方側の判断だ」(給与能率推進室)としている。  本年度発行を求める自治体のうち県内は駒ケ根市だけ。同市は本年度支払う退職手当2億800万円のうち1億円を退職手当債で賄う方針で、本年度内に手当を引き下げないと約1200万円の市の負担が生じるとみて、年度内の引き下げを決定。21日、市職員労働組合との交渉が妥結した。市総務課は「財政的に(約1200万円を)工面するのは厳しい」と説明する。  対応が割れる全国自治体のうち、京都府が本年度の退職手当280億円のうち140億円に退職手当債を充てることを予定。年度内の引き下げ見送りで10億円程度、府の負担が生じることなどを考慮し、3月1日から引き下げる。  一方、本年度、退職手当124億円のうち61億円を手当債で賄う方針の京都市は4月1日からの引き下げを決定。先送りで数億円程度の市負担が生じるが、駆け込み退職で市民サービスに影響が及ぶことを避けたという。本年度の退職手当66億円のうち40億円を手当債で賄う方針の新潟市も、駆け込み退職防止で本年度内引き下げは見送った。  他に埼玉県など、発行可能額より大幅に少ない額を予定し、退職手当債の圧縮は引き下げ時期に影響しなかった―とする自治体もある。  国の来年度地方債計画で、退職手当債は本年度比54・1%減の1700億円。総務省によると、国家公務員の退職手当が10月からさらに約140万円引き下げられることなどが影響し、大幅減となる。(長野県、信濃毎日新聞社)


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