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県立職員「懲戒未満不祥事」141件 7割余は交通事故・違反

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 2009~11年度に県立学校(高校、特別支援学校)の教員で懲戒処分(免職、停職など)に至らないものの口頭注意などを受けた不祥事は141件あり、学級費に絡む不適切な処理やわいせつ類似行為などの事案が含まれていることも21日、信濃毎日新聞の県教育委員会への情報公開請求などで初めて判明した。これらは訓諭や厳重注意など責任を確認させ将来を戒める「指導上の措置」に当たり、原則公表の懲戒処分と異なり発表しておらず、県教育委員にも全ては報告していない。懲戒処分にしなかった妥当性が十分には検証されていないのが現状だ。  県教委によると、過去3年間に県立学校教員に対して行った指導上の措置のうち、7割余の101件は軽微な交通事故、速度違反。一方で授業中に生徒の頬をたたくなど体罰が6件、生徒の成績が入った記録媒体など個人情報の紛失・漏えいが4件あった。  個別の例だと、ある高校の男性教諭(訓諭)は09年3月に卒業させたクラスの学級費の処理で、学年会計分の現金約80万円を手元に置いたまま、同6月に保護者から指摘されるまで払い戻していなかった。同5月には本来5年間保存すべき帳簿などの証拠書類も破棄。県教委高校教育課によると、教諭は「返金を忘れていた」といい、個人的に使った形跡もないとしている。  また、別の高校教諭(訓諭)は10年11~12月、顧問をしている部活動の女子生徒1人に対し、「きれいだね」「キラキラしているね」などと容姿に関するメールを計5回、別の女子生徒にも同様のメールを2回送っていた。メールは普段、部活動の連絡用に使っており、同課は「内容がセクハラとまでは言えないが、生徒を困惑させ不適切と判断した」としている。  一方、盲学校の男性教諭は2000年ごろから09年7月までの間、職場の懇親会の後や校内で女性教諭を抱き締める、キスをするなどの不適切な行為を多いときに週1~2回程度続けた。ただ、「同意があったかどうか両者の言い分が食い違い、確認できなかった」(県教委特別支援教育課)といい、訓諭とした。  この他、ある高校講師は11年11月の夜、泥酔状態で帰宅途中に接骨院の看板を壊し、警察に保護されて厳重注意となった。また、自身が所有し、妹夫婦が住む土地と家屋の09~11年の固定資産税42万円余を滞納し、給与を差し押さえられた高校教諭が厳重注意となった事例もあった。  教員の相次ぐ不祥事を受けて県と県教委が設置した「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の採用・人事専門部会は、20日にまとめた報告書で、不祥事を起こした教員が異動する際には、校長間、市町村教委間で不祥事の内容を文書で確実に引き継ぎ、県教委が確認することを求めた。  同部会の部会長代理で教育研究家の古山明男さん(63)=千葉市=は「軽微な不祥事でも、セクハラや体罰など子どもに被害、影響を与えた事例は、個人情報に配慮しながら積極的に公開すべきだ。教員間だけではなく、子どもたちにも事例を知らせることが大切だ」と指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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