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遺跡内での無届け公共工事、6年で12件 保護措置なしは2件

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 文化財保護法で義務付けられた県教委への届け出をしないまま、県内で土器などが埋まっていると推定される「埋蔵文化財包蔵地(遺跡)」を掘り返した公共工事は、昨年度までの6年間で、既に判明した6件の他に少なくとも6件あったことが11日、分かった。地元市町村教委が遺跡の地図を整備しておらず、埋蔵文化財の保護措置や協議をしないまま行われた公共工事も新たに1件判明、計2件となった。県教委への情報公開請求や信濃毎日新聞の取材で分かった。  県教委などによると、2006~11年度の無届けの工事計12件と保護措置などをせずに行った工事計2件のうち、文化財の破損が確認されたのは2件。上水内郡飯綱町が06年度に、髻山(もとどりやま)城跡での林道造成工事で、戦国時代の山城の土塁跡や堀の一部を掘削したり、埋めたりした=表。上伊那郡辰野町は、07年度に同町の宮垣外遺跡に重なる水田の土の入れ替え時に地中の住居跡や土器も掘り返して破損した。  同法は、都道府県教委が工事実施者と協議したり、必要な措置を勧告したりできると規定しているが、届け出がないと事実上不可能だ。  届け出をしなかった理由について、県住宅供給公社や安曇野市は取材に対し「法律の規定を担当者が知らなかった」などと説明。道路の拡幅や改良では「道路開通時に一度地面を掘り返していることなどから、届け出不要だと勘違いした」(辰野町、県飯田建設事務所、県安曇野建設事務所)などの理由もあった。「届け出の必要が担当者間で引き継がれなかった」(県長野地方事務所、飯田市)とするところもあった。  一方、保護措置などを協議できるよう、文部科学省は市町村教委が遺跡の範囲を把握し、都道府県や市町村が遺跡地図などを備えるよう通知している。  だが、飯綱町教委は遺跡として指定すべき範囲を指定しておらず、木曽郡上松町教委は、町内にある遺跡の場所の範囲自体を把握していなかった。このため、本来必要な手続きをせずに道路工事が行われた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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