伊那市東春近小学校の校庭に、5年生57人が総合学習でアスレチック遊具を造り、5日、完成式があった。名称は「ヒガハルチック」。設計から児童が参加し、間伐材で高さ約2メートルのやぐら、「キラリ」の文字の形に並べた平均台など5基を組み立てた。式には、協力した企業の代表や保護者らも参加。児童らに安全に遊んでもらうことを願い、テープカットなどをした。 湖や里山で自然体験をした児童たちが、間伐材を利用しようと計画。班ごとに模型を作り、造る遊具を投票で決めた。昨年10月に着工。ヒノキの間伐材41本などを使った。 安全面に配慮し、5年生の卒業から10年後の2023年度に解体する。唐沢柊哉(とうや)君(11)は「解体はもったいないけれど、大切な思い出にしたい」。奥村十月(とつき)さん(11)は「机に向かうだけが授業じゃないと分かった。みんなに遊んでほしい」と話した。 設計には、建築業のフォレストコーポレーション(伊那市)と遊具製造の中村体育(上田市)が協力。間伐材は上伊那森林組合(伊那市)が提供した。北沢夏樹教諭(53)は「多くの人のおかげで実現した。人と人とのつながりをこれからも大切にしてほしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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